静岡市議会 > 2021-06-03 >
令和3年6月定例会(第3日目) 本文
令和3年6月定例会(第3日目) 名簿

  • "修学旅行"(/)
ツイート シェア
  1. 静岡市議会 2021-06-03
    令和3年6月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(鈴木和彦君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(鈴木和彦君) 本日の議事日程は、既にお手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第135号 令和3年度静岡市一    般会計補正予算(第2号) 外8件(総括    質問) 3 ◯議長(鈴木和彦君) 日程第1、議案第135号令和3年度静岡市一般会計補正予算(第2号)から日程第9、一般質問までを一括議題といたします。  先日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、堀  努君。   〔堀  努君登壇〕 4 ◯堀  努君 今回質問する大項目は、DXによる防災減災対策について、そして防災機能の強化と、魅力ある景観の保全・創出についての2点で、いずれも防災を主題にしております。  これは、今年が東日本大震災から節目の10年であること、そして、さきの市議選で市民からの様々な声を聞いたことにより、まちづくりの最優先課題は市民の安全・安心に資する防災・減災対策であると、強く感じたため、今回の主題とするに至りました。  それでは、通告に従い、初めに中項目、静岡型災害総合情報サイトについて伺います。  災害時の情報システムについての質問は、自民党からは私で3人目となります。最初は平成30年11月定例会で福地議員が、次に、令和元年11月定例会で島議員が質問しました。  さて、先日の市長答弁によると、これから策定作業に入る第4次総合計画の新たな柱として、市民を災害から守る強靱化を大きなテーマとしていくとのことでした。そのためには、防潮堤をはじめ様々な防災インフラの強靱化が必要ですが、それと同時に最先端技術を駆使したソフトウエアによる災害対策も不可欠であります。  田辺市長は、さきの市長選挙の際、自ら手がけたマニフェストの中で、「災害発生時にほしいもの? まずは情報ですよね。」という副題の下、日本初の静岡型災害総合情報サイトを掲げられました。  例えば今ここで震度7クラスの大地震が発生したとき、家族は無事なのか、津波はどこまで到達したのか、電車やバスで帰宅できるのか、避難所の状況はどうなのか、すぐに知りたいと思うはずです。その翌日には、けがの治療はどこでしてもらえるのか、停電はいつ復旧するのか、どこかでスマホの充電はできないか、飲料水や食料はどこで手に入るのかなどの情報も知りたいと思うはずです。
     また、老人ホームにいる親は、帰宅させなければならないのか、子供の保育園はいつから始まるのか、スーパーやガソリンスタンドはいつから営業を再開するのかなどの情報も必要です。けれども、よく分からないままストレスが募り、正確な情報がないことによる混乱が続く。現在の本市の仕組みでは、こうした命に関わる情報を正確に早く入手するのは、極めて困難であります。救命・救助、避難生活、復旧・復興、全ては情報がなければうまく進みません。正確で迅速な情報がなければ、助かる命も助けられないのです。  余談ですが、振り返れば、東日本大震災当日、私は市長選挙を直前に控えた田辺信宏さんに終日同行しておりました。当時は、まだスマホが普及しておらず、電話もしばらくつながらなかったため、ろくに情報収集ができませんでした。夕方、JR清水駅前で、つじ立ちを行った際に、市民から御指摘を受けて、そこでようやく事態の深刻さに気がついたということがありました。  10年前のあの日、安否確認や情報収集でツイッターやフェイスブックなどのSNSが有効であることが証明された結果、ガラケーからスマホへシフトチェンジとなるデジタイゼーションの契機となった、時代の転換点であったのではないでしょうか。その後、国内のスマホ利用率は90%を超え、その普及とともに、今ではSNSがコミュニケーションツールの中心的役割を担うデジタライゼーションの時代が訪れました。当時は想像できなかったことが情報社会の発展と情報技術の進歩によって、実現可能な世の中となったのです。  質問に入る前に、大事な視点として、ニューノーマル時代に突入したことによって、世界全体で加速する取組、デジタルトランスフォーメーション──DXについて触れたいと思います。  DXとは、もともとは2004年に提唱された、デジタルの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるという概念です。これを自治体によるDXの視点で言い換えると、自治体が担う行政サービスについて、最先端のデジタル技術を活用することにより、市民サービスの向上、業務の効率化を図り、その結果、社会変革をもたらすものと表現できます。  本市では、令和3年度の組織機構改革局長級ポストデジタル統括監、そして、デジタル化推進課を創設しました。デジタル化推進課の職務として、特に防災のデジタル化が重要であることを明確にお示ししていただき、そして、これを機会に縦割り組織の壁を乗り越え、本市のDXを象徴する情報サイトの構築を実現していただきたいと思います。  参考までに、今年2月、神奈川県は民間開発によるAI防災チャットボットシステムSOCDAの実証実験を実施し、来年度の本格導入を目指しております。これは、まさに以前市長が答弁された誰もが使えるシンプル操作インターフェースを取り入れ、AI、IoT等の最新技術を活用したポータルサイトの構築を民間連携の下、着実に進めるという目標が既にほかの自治体で始まりつつあることを意味します。  一方で、市長が掲げる情報サイトの構築は、まだ道半ばであると言えます。残りの任期中に公約を実現できるかどうか、市長御自身の本気度が求められます。ぜひ市民の命を救える情報システムを必ずつくるという強い決意をここで示していただきたいと思います。  前置きが長くなりましたが、以上を踏まえて1つ目の質問です。  静岡型災害総合情報サイトの構築と静岡市のデジタル化を進める上での位置づけとはどのようなものか、お答えください。  次に、中項目、無電柱化推進計画について、2点質問します。  これまでにも無電柱化は、1、防災性の向上、2、安全性、快適性の確保、3、良好な景観、以上の3つの視点から実施されてきましたが、近年では災害の激甚化、頻発化により、全国的にますますその必要性が高まっております。  例えば平成28年発生の熊本地震では、244本もの電柱が倒壊し、約477万戸の停電が発生しました。また、平成30年に県内を襲った台風24号では、強風による飛来物や落雷、倒木により電柱が倒壊した結果、浜松市では約26万5,200戸の停電が発生しました。本市でも水道施設が停電した結果、延べ2,450戸で断水が生じました。  それら過去の教訓を踏まえた上で、特に南海トラフ巨大地震に対する備えとして、本市の無電柱化は非常に重要な施策であります。  平成28年、衆参両院の全会一致で成立、施行された無電柱化の推進に関する法律を踏まえ、努力義務とされた無電柱化推進計画を、本市は平成30年に策定しました。  それによると、平成30年からの3年間で、市内7つの整備計画路線で6.8キロの無電柱化に着手することが明記されております。そのうちの1つ、日本平公園の無電柱化は、本定例会の補正予算案に上程されております。  さて、無電柱化で障害となるのが膨大なコストと長きにわたる工期です。通常、倒壊した電柱の復旧は、道路1キロメートル当たり2,000~3,000万円で済んでしまうのに対し、無電柱化の工事費は道路1キロメートル当たり、約5億3,000万円にも上り、加えて工期は平均7年に及びます。  限りある予算の中で、本市の防災機能を強化する無電柱化が計画的に行われているか、優先的に推進すべき道路を意識した取組がなされているのか、本市の取組状況をまずは知る必要があります。  そこで、1点目の質問です。  無電柱化事業のこれまでの進捗状況はどうか、お答えください。  続けて伺います。  無電柱化の動向ですが、国土交通省は今年5月、令和3年度を初年度する第8期無電柱化推進計画を策定しました。計画のポイントは3点です。  1点目、新設電柱を増やさないこと。  電柱が減るどころか、むしろ毎年7万本も増加しているという驚きの事実が判明しました。国交省は、今年度中に実態調査に乗り出し、対応策を取りまとめる方針です。  2点目、徹底したコスト縮減。  道路管理者は関係者と連携し、多様な整備手法により、令和7年度までに平均して約2割の削減に取り組むよう求めています。  3点目、事業のさらなるスピードアップを図る。  発注の工夫や民間技術の活用、地域の合意形成の円滑化によって、事業期間の半減に取り組む。無電柱化事業は、本市単独では事実上不可能なため、これら国の方針に沿った国や電線管理者との調整、連携、支援を踏まえた中長期的な施策が必要であると考えます。  また、無電柱化事業は、防災のほかにも地域資源の魅力を高める施策であり、アフターコロナの訪日外国人の増加を見据え、地域経済の活性化に寄与するため、事業を推進すべきであると考えます。  以上を踏まえて、2点目の質問をします。  国土交通省が策定した今回の無電柱化推進計画を受け、今後どのような方針で整備を進めるのか。  以上で1回目の質問を終わります。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私から大項目、DXによる防災減災対策について、静岡型災害総合情報サイトの構築と静岡市のデジタル化を進める上での位置づけは、どのようなものかとの御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、きっかけは平成30年の台風24号による大規模停電でありました。市内で停電が起こってしまったときに、市民の皆さんから市のホームページの情報では不十分だと、被害状況だけではなく、市民が必要とする情報が得られないという課題が明らかになりました。  そこで、私は、その課題を解決するために、市民の皆さんが、災害が起きたときに必要な情報を一元的に、容易に知ることができる仕組みづくりマニフェストに掲げ、静岡型災害総合情報サイトを構築することを公約にいたしました。  目下、このサイトの構築は、次の3つの段階で進めております。  まず、第1段階は、ホームページの整理と拡充です。  市民の皆さんからの問合せの多かった台風や大雨の際の気象や河川、道路や交通機関、そしてライフラインの最新状況などの情報にアクセスしやすいように、市のホームページの中の「静岡市の緊急防災情報」を整理、拡充し、昨年6月より提供を始めております。  議論の過程で、第2段階は、2つあるということが明らかになりました。2段構えでやっていきます。  まず、職員が収集した災害情報を管理、共有する仕組みをつくるということ。もう1つは、これらの情報を市民の皆さんに分かりやすく提供できる仕組みをつくるということであります。  この第2段階の1つ目として、災害が発生したときに、職員自身が現場で得た様々な情報を集約し、その共有化を図るとともに、災害対策の検討などにつながる災害情報共有システムを整理し、これも今年4月より運用を開始いたしました。  このシステムは、より広域での情報共有を目的とした国や県のシステムとも連携しており、これまでより迅速かつ正確に情報の収集や発信を実施することが可能になりました。現在ここまでが完了しております。  次に、第2段階の2つ目でありますが、第1段階で整理したホームページの情報やこの第2段階の1つ目、災害情報共有システムに集約・管理した情報を時間とか、場所とか、種別などに分類して、必要な情報にアクセスしやすく、スマホなどの機器からも確認できるよう、分かりやすい形で提供する仕組みをつくってまいります。  例えば利用者も多く親しみのあるインターフェースであるLINEのアプリの活用を想定しています。画面上に災害関連の情報が一目で分かる複数のメニューを作成し、いずれかを選択することによって、必要とする情報にたどり着けるよう、市民の皆さんに分かりやすく情報提供できる仕組みをつくります。これを今任期、令和4年度末を目標に構築していくことを改めて申し上げます。  さらに、その先、この3年間でもデジタル技術の発展は日進月歩であります。最終の第3段階では、こうして構築したシステムにおいて、行政からの情報提供だけではなく、私の地区では今こうなっていますなど、市民の皆さんや企業の皆さんが情報の送り手になっていく双方向のシステム化を目指してまいります。  その上で、様々な手段で寄せられる情報の信頼性の向上のため、進歩が目覚ましい、例えばAI技術を活用していくなど、最新のデジタル技術に合わせてシステムをアップデートしてまいります。  というのも、現在のデジタル技術を取り巻く環境は、単に決められた目的にデジタル機器やそれらを用いた仕組みを利用する、議員御指摘のいわゆるデジタイゼーションの時代から、デジタル技術の特性を生かし、これまでの社会通念や慣例を改革していくというDX──デジタルトランスフォーメーションの時代への転換期を急速に迎えております。  この防災・減災対策の分野においても、これまでの行政主体から市民の皆さんや地域の企業の方々もそれぞれの立場で関わりを持ち、課題に対し、様々な手段や方策を共に考え、デジタル技術で解決できるものは速やかに取り入れ、実現を図る、これが本市の進めるべきDXであると考えております。  行政分野はたくさんありますけれども、現在、本市にて検討を進めているデジタル化推進プランにおいても、この防災・減災対策の取組は、欠くことのできない重要施策として位置づけていくことといたします。  このサイトの構築に当たっては、改めて議員各位、市民の皆さんの視点に立ち、真に必要な情報提供の方法や手段について検討し、最新のデジタル技術を駆使し、市民にとって利便性の高いものになるよう取組、DXによる防災・減災対策を推進していきます。  引き続き、議員の御指導、御支援をよろしくお願いいたします。  以下は、副市長及び局長から答弁させます。 6 ◯副市長(本田武志君) 私からは、無電柱化推進計画についてお答えいたします。  まず、無電柱化事業の進捗状況についてですが、本市における無電柱化事業は、昭和61年に定めた電線類地中化計画に基づき、安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止を目的に整備を開始し、これまでJR静岡駅、清水駅、東静岡駅周辺の都市拠点を中心に整備してまいりました。  平成30年度からの計画では、南海トラフ巨大地震や台風など、災害による電柱の倒壊リスクを解消するため、緊急輸送路や避難路などで防災機能の強化に特に着目し、整備を推進しております。  このような取組の結果、令和2年度末までに、市内の93路線、延長約79キロメートルで整備が完了しており、現在、主要地方道山脇大谷線など7路線、延長約7キロメートルにおいて事業を進めておるところでございます。  次に、今回の国土交通省の計画を受けた本市の整備方針についてですが、国の計画では防災、安全・円滑な交通確保、景観形成・観光振興を3つの柱としております。これは近年の災害の激甚化に対応するため、防災機能の強化に加え、少子高齢化が進む中で、全ての人が安全・安心に利用できる道づくりに向けたものでございます。  また、無電柱化により、豊かな自然環境や歴史的な美しいまち並みが形成され、まちの魅力を高めることで、観光振興や地域の活性化につなげていくことが期待されております。  これら国の計画や本市の状況を踏まえて、基本方針を、改めて防災機能の強化、安全・安心のまちの形成、魅力ある景観の創出といたしまして、今後とも積極的に無電柱化事業を推進してまいります。   〔堀  努君登壇〕 7 ◯堀  努君 静岡型災害総合情報サイトについて、市長から御答弁いただきました。市民に伝わりやすい情報発信の一例として、LINE公式アカウントの活用に言及されましたが、令和4年度末の目標設定は少々物足りなさを感じます。  本市は、既に新型コロナ感染症に関する情報発信を本市LINE公式アカウント上のリッチメニューを活用して実践しております。防災情報についても同様に、できることからすぐに始めていただきたく、お願いいたします。  そのほかの意見・要望は3回目に述べさせていただきます。  2回目の質問に移ります。  無電柱化推進計画について、1点伺います。  ただいまの本田副市長の答弁によると、国の基本方針と同様に、防災機能の強化、安全・安心なまちの形成、魅力ある景観の創出の3つの視点で、積極的な無電柱化事業を継続していくとのことでありました。  魅力ある景観の創出について、国交省の推進計画によると、世界文化遺産周辺の無電柱化着手地区数を5年間で37地区から46地区に増やす方針となっております。世界文化遺産富士山の構成資産である三保松原について、本市は平成26年から2年かけて三保松原へ続く都市計画道路清水港三保線、通称三保街道で富士山の眺望を妨げていた横断線を1.5キロメートルの区間で撤去しましたが、無電柱化については、当時、基準となる国のガイドラインがなく、具体的な実施時期は定まっておりませんでした。  その後、本市は現行の推進計画における基本方針として、世界文化遺産構成資産三保松原の無電柱化を実施する旨、明記しました。本市の推進計画は改定時期を迎えております。次期推進計画において、具体的な整備計画路線として三保街道を指定することは、国の計画と相まって、自然の流れではないかと考えております。  三保松原へ向かう途中、三保街道の正面から浮き上がるように現れる富士山の情景は、訪れるものに唯一無二の感動を与えてくれます。  同じく、世界遺産である富士宮市の白糸の滝周辺では、県によって既に無電柱化が実施されましたが、そこから仰ぐ富士山の情景と比較しても、決して引けを取ることはありません。  さらに、三保街道は災害時における避難道としての役割を果たす重要な道路であり、無電柱化の優先順位は高いことは間違いありません。  以上を踏まえて、質問します。  世界文化遺産構成資産である三保松原の景観に配慮した都市計画道路清水港三保線の無電柱化について、どのように考えているのか。  以上、2回目の質問を終わります。 8 ◯建設局長(海野 強君) 都市計画道路清水港三保線の無電柱化についてですが、当路線は、大規模地震などの被災時において、津波避難路としての役割を求められております。  また、三保松原へのアクセス道路であり、世界文化遺産富士山への眺めをより一層魅力あるものとするためにも、無電柱化の効果は大きいものと考えております。  議員御指摘のとおり、これまで、三保松原が世界文化遺産富士山の構成資産へ登録されたのを機に、平成26年度から27年度にかけて、横断架空線を撤去したことにより、来訪者や市民の皆さんから、きれいな富士山が見えるようになったなどの声を多数いただいております。  当路線の無電柱化については、令和3年度策定予定の静岡市無電柱化推進計画に位置づけ、事業を進めてまいります。   〔堀  努君登壇〕 9 ◯堀  努君 3回目は意見・要望です。  市長は以前、施政方針演説でこう述べられました。  我々は今、時代の転換点に身を置いている。コロナ禍を奇貨とし、歴史から学び、未来を切り開く自覚を持つ備えが肝要だ。中世社会で起きた1世紀分の変化が、コロナ禍の中では僅か数年間で起こるとも言われている。あらゆる生活の局面でDXが進み、社会の生産性が大きく向上することが期待される。これは、このポストコロナ時代の世界を市長室に掲げられた書「彰往考来」に即して言い表したものではないでしょうか。  私たちは、今どんな時代を生きているのでしょうか。DXの推進には、トップダウンだけではなく、市職員の理解と現場から発案できる環境づくりが重要となります。市職員の皆様には、時代の歴史的転換点に立っているという市長と共通の時代認識をお持ちいただき、社会変革の担い手として、静岡型災害総合情報サイトの構築に邁進していただきたいと存じます。  そして、田辺市長におかれましては、着眼大局、着手小局、まずは御自身でSNSを活用して情報発信されてみてはいかがでしょうか。田辺市長の盟友、熊本市の大西一史市長は、日常的にツイッターで情報発信することで知られており、16万人以上のフォロワーがいるインフルエンサーとしての一面をお持ちです。  また、以前、千葉市長時代熊谷俊人知事の基調講演を拝聴した際、令和元年東日本台風の体験談として、一般の方々がツイッターを通じて、市内のどこで停電が起きているか、どこで倒木が起きているのかといった状況を次々にアップしてくれたから、ほかの様々な情報と合わせ、徐々に被害の全容が分かってきた。こうしたSNSの活用があったからこそ、2日目には早くも長期停電を想定した対策を打つことができたと語り、SNS活用の重要性を示しました。  私は、令和時代にふさわしい首長の条件として、ITリテラシーの向上は不可欠であると考えております。田辺市長におかれましては、失言に御注意していただきながら、ツイッターでの情報発信に挑戦していただくよう、ここで要望いたします。  三保街道の無電柱化について、建設局長から令和3年度策定予定の無電柱化推進計画に位置づけ、事業を進めていくとの御答弁をいただき、胸をなで下ろしております。  最後に、安全・安心なまちの形成の視点から、お願いがあります。  本市の無電柱化施策に関連して、子供たちの安全・安心な通学路を確保する施策を講じていただけないでしょうか。例えば清水区の駒越地区では、学校の通学路に敷かれた路側帯のグリーンベルト内に電柱が複数立っており、電柱を避けるために車道にはみ出さなければなりません。登下校中、児童の横、すれすれで車が通る光景も珍しくありません。ぜひ子供目線に立ち、電柱の安全点検と実態調査を実施していただき、次期推進計画に何らかの反映をしてくださいますようお願い申し上げます。  以上をもちまして全ての質問を終了といたします。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 10 ◯議長(鈴木和彦君) 次に、山梨 渉君。   〔山梨 渉君登壇〕 11 ◯山梨 渉君 通告に従いまして、質問いたします。  初めに、大項目1、第4次総合計画策定について伺ってまいります。  第3次総合計画の期間もいよいよ残り2年を切り、総仕上げのステージに入りました。平成27年、市長のリーダーシップの下、策定された3次総による事業は、一定の成果を上げてきました。また、総合戦略と合致させ、SDGsを組み込むなど、臨機応変な調整も図られてきました。  しかし、道半ばの事業、また計画の変更を余儀なくされた事業もあります。現在、目下最大の課題である新型コロナウイルス感染症は、まさに予期できなかったものであり、先を見通すこと、計画どおりに進めることの困難さを改めて突きつけられました。  3次総が掲げた最大目標は、2025年、総人口70万人維持です。日本全体が人口減少局面に突入している中での果敢な目標であります。  3次総は、人口減少対策のための総合戦略と一体となって取組、平成27年10月に策定した第1期総合戦略5年間の中で、移住支援センターの開設などの取組が実施されました。人口は減少したものの一定程度その速度を鈍化させたとしています。  その後、令和2年3月には、第2期総合戦略を策定、両者の関係性が分かりにくいことから、総合計画の中に総合戦略を組み込みました。第2期総合戦略では70万人との表現がなくなり、人口活力の維持をするための交流人口、関係人口の増加という概念に切り替えました。事実上、人口70万人維持との表現が形骸化した格好です。結果的に6年間で1万9,000人余りの減少。このうち約6割は清水区で、実に1万1,000人余りの減少になります。
     市長は事あるごとに清水の再生なくして、静岡の発展なしと語られてきました。最も人口減少が著しい清水区への対策、やっぱ清水が一番ええやと、清水の衆らが口々に言うような、こういう施策が一層求められていると思います。  既に右肩上がりの時代は終わり、人口、経済、財政など、縮小する成熟の時代になった今、事務事業を全体的に増やすことはできません。ゆえに、財源、人材が限らえているからこそ、政策の優先順位を明確にし、適切なKPIの設定などが求められます。激化する時代の変化に呼応しながら、市民生活や地域の実情を踏まえた選択と集中により、めり張りのある総合計画を策定し、予算や組織編成に連動させて、着実に実行していく必要があります。  市長は、2月の施政方針において、本年度3次総を継承、発展していく次期の総合計画、第4次静岡市総合計画の策定作業に着手していく旨を発表されました。人口減少という現実に真正面から向き合いながら、どう人口活力を維持していくのか。パンデミックという歴史の転換点において、コロナ後を見据えて、市民の心に希望の火がともるような政策をどのように策定していくのか、質問したいと思います。  5点質問いたします。  1点目に、第4次総合計画の策定は、どのような視点を持って進めていくのか、伺います。  2点目に、人口減少時代の要となる総合戦略は、第4次総合計画の中でどのように位置づけられ、取り組んでいくのか、伺います。  3点目に、第4次総合計画の対象期間は、何年間を想定しているのか。  4点目に、総合計画の策定のスケジュールはどのような予定になっているのか。  5点目に、総合計画策定に当たり、今後の財政状況をどのように見通しているのか、伺います。  次に、大項目2、新興津地区人工海浜、緑地整備について伺ってまいります。  歴史のまち興津は、古くは680年頃、蝦夷の侵入を防ぐため、清見関が設けられ、戦国時代には戦略上の重要拠点となりました。その後、東海道の宿場町として栄え、明治、大正、昭和初期には皇族、政財界、文化人の保養地、別荘地として名をはせました。  どんなに歴史が変化しようとも、そこには変わらず清見潟という磯や浜が住民の暮らしとともにありました。清水の発展のために、埠頭やバイパスが建設され、変わらなかった磯や浜は失われましたが、興津の海を取り戻そうと、多くの先輩方の長きにわたる尽力により、ついにその花がよみがえる目前まで来ました。新しく生まれ変わる新興津地区、海浜、緑地、漁港、海づり公園は、興津の長い歴史を未来へつなぐ地元住民の大きな希望が込められております。  さて、平成30年、清水みなとまちづくり公民連携協議会により、おおむね20年で目指す姿として、清水みなとまちづくりグランドデザインが策定されました。新興津地区もリーディングプロジェクトに組み込まれました。新興津地区は、各リーディングプロジェクトの中でも、早期に完成が予定されるエリアであり、グランドデザイン全体の実現に向けても、新興津エリアの成功は大変重要であります。  いよいよ開通目前の中部横断自動車道を通って、甲信地方からも多くの方の来訪が予想され、清水区のみならず、本市全域の交流人口増加、活性化の起爆剤として大きく期待されるところであります。  こうしたことから、これまで公明党静岡市議会は、国へ新興津地区の整備促進要望を継続的に行い、本年1月にも赤羽国土交通大臣に直接要望させていただいたところであります。  質問ですが、目下、建設が進められております新興津地区の人工海浜、緑地等の整備について、現在の進捗状況と今後のスケジュールはどのようか、伺います。  整備が見える形で進むにつれ、地元住民からは進入路、アクセス路について高い関心が寄せられております。  アクセス路は、利用者の利便性を高めることが大変重要でありますけれども、住民の生活路の安全確保についてどのように考えられているのか、港湾関係車両との動線確保など、国、県、市それぞれの管理道が混在することから、住民、関係者との調整が重要であります。これまで明確なアクセスルートについては、公式発表されてきておりません。  質問ですが、今後、人工海浜、緑地等へのアクセスについてどのように整備していくのか、伺います。  人工海浜、緑地には交流施設の整備が計画されております。地元ワークショップで県から示された完成予想図には、お手元の資料になりますけれども、交流施設のイメージが描かれておりますが、エリア全体のシンボリックな中心施設として、来訪者から高く評価される施設になることを期待しております。  重要な点は、にぎわいを高めるこの施設の具体化を静岡市が主導して進める役割を担っているということです。  令和2年2月議会では、地場産品等の物販施設が整備されれば、釣り人から家族連れまでが多様な海洋レクリエーションを1日楽しむことができるエリアとなり、広域からの集客も期待できると、その重要性について意欲的な答弁がありました。  質問ですが、人工海浜、緑地等の完成が近づく中、いまだ具体性が見えない交流施設ですが、どのように検討を進めていくのか、伺います。  清水みなとまちづくりグランドデザインに描かれているリーディングプロジェクト、旧興津宿、新興津地区には観光強化と題し、後背にある旧興津宿は、歴史的環境整備、清見寺など段丘上の眺望点、民泊など宿泊客の受入れ環境を整えるとの記載があります。興津地区が秘めている多くの観光資源を官民でどのように磨き上げていくかが、これからの課題になろうかと思います。  質問ですが、人工海浜等の完成に向け、海側から興津のまちへの回遊を促す仕掛けをどのように考えているのか、伺います。  あわせて、今後整備の必要性が高まっていくのが興津駅の周辺です。国1バイパスを渡る跨道橋整備が予定され、興津駅から人工海浜、緑地等へは徒歩5分という絶好の位置関係にあり、駅利用者の増加が見込まれております。  しかし、現在の興津駅前は、来訪者への対応が十分とは言えません。1つ例に挙げますと、駅利用者用のトイレは駅構内にしかなく、駅前ロータリー周辺へのトイレ整備が必要不可欠です。昨年10月には、地元興津連合自治会から歩行者の安全に配慮した道路整備や駅前ロータリーの整備に関する要望書が提出されております。  興津駅周辺まちづくりについてどのように考えているのか伺いまして、1回目の質問といたします。 12 ◯市長(田辺信宏君) 私から大項目1、第4次総合計画策定についてのうち、4次総の策定はどのような視点を持って進めていくのかとの御質問にお答えいたします。  視点の大前提といたしまして、私が最も重要視している考え方は、逆算思考であります。総合計画の策定において、いつまでにどのようなまちの姿を目指していくのかというビジョンを最初に描いて、そこからバックキャストして、つまり逆算して今何をしなければいけないのか、それを実現するために必要なものは何かということを中長期的に、大局的に考えていくということであります。  3次総のやり方もそうでありました。そのビジョンとして、世界に輝く静岡の実現を固めました。これは平たくいえば世界中から人が集まる静岡市を目指していくと。そこでまちみがき、これまでオンリーワンの地域資源を磨き上げるという取組を進めてまいりました。  一方、この6年間、議員御指摘のとおり、本格的な人口減少時代の到来であるとか、グリーンやデジタルをキーワードにした世界の潮流の変化、さらに新型コロナウイルスの出現など、私どもを取り巻く環境は大きく変化しました。  このような状況を目の当たりにして、想定できなかったことがあるけれども、これを3次総の経験として糧にしていこうと。4次総はもっともっと緻密に、2030年の姿はどういう環境になっているのかということを議論に議論をして、そしてその中において、静岡市はどういう都市を目指すのかというバックキャストの考え方が必要だという気持ちであります。  3次総から首尾一貫して私が申し上げている成長拡大を前提とした社会は、いよいよ限界に達し、成熟、持続可能な社会へ転換していくこと、これは3次総と同じでありますけれども、4次総においても持続可能性──サスティナビリティーが必須の要件であるという思いを強くしております。  3次総策定のときには、SDGsとか、あるいは5大構想とかというものはなかったわけですが、それを議会との議論をはじめとして、様々な潮流の変化として組み込んできて、ローリングをしてきたということであります。  そこで、4次総では、経済、環境、社会の3つの側面が調和した持続可能な都市を目指していくため、引き続きSDGsを組み込み、さらに脱炭素社会実現とともに、民間の投資やイノベーションを起こしていくグリーンと、先ほどの御質問にもありましたとおり、行政や地域が抱える課題解決の革新的なツールとなるデジタルを4次総の根幹をなす新たな視点として持ち、策定を進めてまいりたいと思います。  議員の御支援あるいは御協力をよろしくお願い申し上げます。  以下は局長及び統括監から答弁します。 13 ◯企画局長(松浦高之君) 4次総に係る3つの御質問についてお答えいたします。  まず、4次総における総合戦略の位置づけと取組についてですが、平成27年10月に策定した第1期総合戦略は、先行してスタートした3次総の目標である人口70万人維持に資する具体的な施策を搭載した5年間の計画でした。  令和2年3月に策定した第2期総合戦略では、交流人口や関係人口など、新しい人の流れを呼び込む施策を取り入れるとともに、3次総実施計画の中に位置づけ、4次総を意識して、終期を令和5年3月といたしました。  4次総においては、あらかじめ総合戦略を取り込み、一体のものとして策定していく予定です。交流人口や関係人口の概念を総合計画に明確に組み込むことで、定住人口70万人に匹敵する人口活力を維持していくことを目指したいと考えております。  次に、4次総の対象期間についてですが、総合計画はまちの将来を見据え、長期的な姿を描きつつ、時代の潮流にも適切に対応していくものでなければなりません。  そこで、4次総は、3次総と同じ8年間、さらにSDGsの目標年でもある2030年度までの計画とすることを予定しています。  次に、策定スケジュールについてですが、令和3年6月に、市長を会長に市幹部職員で構成する第4次静岡市総合計画策定会議を立ち上げ、検討を開始したところであり、年度内に計画の骨子案を作成する予定です。  その検討過程においては、市民アンケートなどを通じて、市民の皆さんの御意見をお聞きするとともに、市議会にも随時検討状況を報告してまいります。  令和4年度においては、骨子案に関するパブリックコメントを経た上で、11月市議会に基本構想と基本計画の両案を上程することを予定しております。 14 ◯財政局長(大石貴生君) 4次総策定に当たっての今後の財政の見通しについてお答えします。  本年2月に公表しました令和3年度から6年度までの4年間の財政の中期見通しでは、コロナ禍の影響による市税収入の減少や生活保護費などの扶助費の増加などを盛り込んだ結果、各年度の財源不足額が1年前に公表した70億円前半から最大84億円にまで膨らみ、財政状況はより厳しいものとなっています。  4次総期間中の財政見通しについては、今後、計画の策定に併せ改めて試算してまいりますが、ワクチン接種等を通じて経済が回復すれば、感染症流行前の状況に近づくものの、現時点では感染症が中長期的な社会経済に与える影響は不透明な状況にあります。  このため、全庁を挙げて次期行財政改革の着実な実施やアセットマネジメントによる施設の統廃合、土地の売却などに取り組んでまいります。  さらに、人口活力の維持、企業立地の促進による税収の確保や地方創生の取組を民間企業が応援する企業版ふるさと納税の活用などにより、4次総に登載される施策が確実に実施できるよう、必要な財源の確保に努めてまいります。 15 ◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 新興津地区の人工海浜、緑地等の整備に関する5つの御質問のうち、私からは4つの御質問にお答えいたします。  お手元に配布した整備の状況と完成予想図の資料を御参照ください。  最初に、新興津地区の人工海浜、緑地等の整備に係る現在の進捗状況と今後のスケジュールについてですが、県事業である人工海浜、緑地等の整備については、令和2年度までに、その基盤となる土地造成の約7割が完了し、現在人工海浜の磯場や緑地の駐車場など、レイアウトに関する設計を進めているところです。  また、市事業である海づり公園については令和2年度までに桟橋の基礎鋼管ぐい144本の打設工事が完了し、3年度から桟橋の上部であるコンクリート床板の工事に着手してまいります。  今後のスケジュールとしましては、県事業では引き続き人工海浜、緑地、小型船だまり等の整備を進め、2020年代中盤の供用開始を予定しております。  本市としては令和5年度、2023年度中の供用開始を目指し、海づり公園の整備を着実に進めてまいります。  次に、人工海浜、緑地等へのアクセスをどのように整備していくのかについてですが、新興津地区の人工海浜、緑地等は、国道1号バイパスにより隔てられた海側に整備されることから、これら施設へのアクセスが大変重要であるものと認識しております。  まず、バイパス下り線から自動車で直接乗り入れが可能となる進入路の整備に向け、県が国土交通省静岡国道事務所と進入路の位置や道路幅員などについて協議を行っております。  一方、バイパス上り線からの進入路の整備については、周辺宅地等への影響が大きいため、バイパス以外の周辺道路からアクセスできるよう、マックスバリュー南側新興津埠頭入り口の丁字路交差点の改良について、県が警察と協議を行っております。  次に、歩行者のアクセスとしては、県がJR興津駅を含むまち側と人工海浜、緑地等をつなぐ、バイパスをまたぐ跨道橋を整備するため、令和3年度予備設計に着手し、跨道橋の位置、構造等の検討を行います。  本市におきましても、跨道橋からまち側へのアクセスとなる道路の歩行環境の改善について、今後、地元の皆さんと検討を行ってまいります。  次に、交流施設について、どのように検討を進めていくのかについてですが、本市はこれまで、人工海浜、緑地等の整備や利用に関して、地元ワークショップや中学校への出前講座、市内外の方々を対象としたアンケート調査を実施する中で、これら施設に必要となる機能について、意見や考えを伺ってまいりました。  その結果、これら施設には、来訪者が利用するトイレ、シャワー室や災害時の緊急避難場所等の基本的な機能に加え、地域住民との交流や飲食、物販など、地域のにぎわいに資する機能も求められていることが分かりました。  本市としましては、今後これらの機能を有する交流施設の整備に向け、課題となる事業主体や管理運営手法等について、地元の皆さんや港湾管理者である県とともに検討を進めてまいります。  次に、人工海浜等の海側から興津のまちへの回遊を促す仕掛けについてですが、県と市が整備を進めている人工海浜、緑地等は、かつて興津のまちと一体であったなぎさを復活させるとともに、にぎわい創出を目的としております。  本市としても、ここを訪れた方々には、海辺を楽しむだけでなく、今後整備される跨道橋を渡り、歴史や和のスイーツなどの魅力的な資源を持つ興津のまちを併せて散策していただきたいと考えております。  そのためには、さらなる地域資源の掘り起こしやそれらをつなぐ回遊ルートの設定など、興津のまちの魅力を十分味わい、楽しんでもらえる仕掛けを、今後地元の皆さんとワークショップなどを通じて検討してまいります。 16 ◯都市局長(宮原晃樹君) 興津駅周辺のまちづくりについてどのように考えているかについてですが、興津地区は、静岡市都市計画マスタープランにおいて、公共交通の利便性が高く、日常的に必要となる生活サービス施設が集積し、健康で安心して便利な生活を送る上で、中心となる暮らしの拠点として位置づけています。  また、本市では、市民が主役となるまちづくりを推進するため、地域の個性や魅力を生かし、まちづくりの検討段階から官民が連携して行う協働のまちづくりを進めています。  今後、興津駅周辺は、人工海浜などの整備により市内外から多くの人々が訪れ、交流人口の増加が見込まれています。  このため、これからの興津駅周辺のまちづくりについては、暮らしの拠点としての機能を磨き上げるとともに、訪れる人と地域が交流することによる新たな価値やにぎわいが創出されることを踏まえ、地域の個性や魅力を生かしたまちづくりを官民連携して進めてまいります。   〔山梨 渉君登壇〕 17 ◯山梨 渉君 御答弁ありがとうございました。  質問を続けます。  次に、大項目3、奨学金等についてです。  経済的理由により、修学に困難がある優れた学生に対し、教育の機会均等及び人材育成の観点から経済的支援を行う奨学金制度でありますが、近年、この制度の充実が進んでおります。  最も多くの学生が利用する日本学生支援機構においては、住民税非課税世帯、それに準ずる世帯の学生を対象に、給付型奨学金が令和2年4月より大幅に拡充されました。民間団体や各大学等、また地方自治体においても、多様な奨学金制度が設けられ、充実してきております。  本市での事業については、教育委員会が所管する静岡市育英奨学金により、奨学生へ貸与する取組を行っております。  また、平成27年度からは、市民税所得割を完納するなどの条件を満たす対象者に対し、最高で返還額を2分の1免除する制度を実施しております。  また、給付型の奨学金である篤志奨学金も実施しており、本議会において、補正予算が上程されているところであります。  平成28年度からは、企画局が所管する新幹線通学費貸与事業がスタート。県外の大学などに通う30歳未満の学生に新幹線通学定期代の3分の1、上限月3万円を貸与し、卒業後も市内に居住し、市民税所得割を完納すれば、返還が免除される制度です。  ここで、本市2事業の現状を伺ってまいりたいと思います。  静岡市育英奨学金の利用状況及び返還免除制度の利用者の現状は、どのようになっているのか。また、新幹線通学費貸与事業の利用状況及び返還免除の現状について伺います。  これまで公明党は、長年奨学金制度の充実に向け、取り組んでまいりました。この6月23日には、若者の声を政策に反映させようと、公明党青年委員会で実施した政策アンケート、ボイスアクションの結果を基に作成した青年政策の提言を菅首相に申し入れました。この中で、自治体が実施する奨学金の返還支援制度の導入の拡大について盛り込んだところであります。  日本学生支援機構によると、機構の貸与型奨学金の利用者は129万人おり、実に大学生などの2.7人に1人が利用している計算となります。  一方、令和元年度末の返済延滞者数は約32万7,000人に上り、返還に困難を抱えている若者が多いことが浮き彫りとなっております。実際、社会人になってから、返済が大変だという方の多くは、思うように所得が伸びなかったり、転職を余儀なくされたりといった様々な事情があり、また奨学金の返済期間は結婚や出産、子育てなどの人生の重要なタイミングに重なる方も多く、返済が若者の人生設計の負担にならないような取組が今後、より求められております。  こうした中、昨年国は、若者の地方定住を促進するために、奨学金返還支援を進める自治体に対し、特別交付税措置を拡充するなどしました。  具体的には、定住し、就職するなどの条件で、対象者の奨学金の返済を当該自治体が支援するもので、自治体による基金設置を不要とし、交付税対象経費の範囲を全負担額の10分の5から市町村負担額の10分の10に拡充するなどとしたものです。こうしたことから、今後この制度を利用する自治体が増加することが予想されます。  本市の18歳の人口に焦点を当ててみます。3次総スタート時の平成27年3月末6,340人であったものが、4次総終了時点では、先ほど8年後ということでありましたけれども、5,300人ほどになることが想定されております。約1,000人の減少です。減少数に強い衝撃を受けますが、持続可能な未来を見据えたときに、今後1人当たりの支援の充実につなげること、教育、人材育成に、より一層の投資をする必要があります。  現在の奨学金等の制度は、学ぶ意欲のある学生を支え、また静岡市の発展を担う人材の育成に貢献していると認識しておりますが、若者の人口が減少する中、その効果をさらに確実なものにするためにも、奨学金貸与者へのさらなる支援の拡充が必要と考えます。  今後の奨学金貸与者への支援の拡充に向けて、本市はどのように考えるか、伺います。  次に、大項目4、居住支援について伺ってまいります。  先日、市内で事業を行う居住支援法人へ視察に伺いました。居住支援法人とは、平成29年10月に施行された住宅セーフティーネット法に基づき、住宅確保要配慮者の住居支援に関わる新たな担い手として、県が指定する法人のことです。  具体的には、高齢者や障害者、低所得者、ひとり親世帯、外国人やDV被害者など、住宅の確保に配慮を要する方に対し、スムーズな入居をするために住宅情報の提供、相談や家賃債務保証の提供、またその後の生活支援、見守りを行います。  現在、県内8法人、うち静岡市内の3法人が事業を行っている状況であります。  視察でお邪魔した居住支援法人は、既に多くの支援実績があり、具体的な事例についてお話を伺うことができました。コロナの影響で派遣切り等も増加しており、中には即日寮を退去させられる方もいること。コロナ禍により、生活困窮する市民も増えているが、たとえ行政から資金支援はあっても、居住を確保できない方がそもそも大勢いるということ。緊急連絡先や連帯保証人が得られなかったり、大家さんが単身高齢者や障害者を拒んだという現実があるという内容でありました。  驚いたのは、個人の相談もあるようですが、相談事例の一番多いものは福祉行政機関などで、何と静岡市の生活支援課や子育て支援課からの相談が最も多いそうであります。  このように、居住支援法人へのニーズが高まっている一方、この事業は福祉的事業性の側面が強く、事業者の安定的な活動を支援する必要があることから、厚生労働省は、生活困窮者等の住まい対策の推進として、市が居住支援法人へ委託や補助を行う場合、国が財政支援を実施しております。しかし、現状、本市はこれに取り組んでおりません。本市は居住支援法人と協力し、住宅確保要配慮者への支援強化のために、体制づくりを進めるべきであります。住宅要配慮者の取組については、現在の本市の体制では、所管が多岐にわたることから、事例の多い、生活困窮者への対応について2点質問いたします。
     1点目に、本市における生活困窮者に対する住まいの支援の現状はどうなっているのか、伺います。  2点目に、生活保護受給者や生活困窮者等に対する居住支援について、今後どのように考えているのか、伺います。  以上で2回目の質問とします。 18 ◯教育局長(青嶋浩義君) 本市奨学金制度の現状と今後について、一括してお答えいたします。  まず、静岡市育英奨学金の利用状況と返還免除制度の利用者の現状についてですが、本市の奨学金制度には経済的に修学が困難な高校生や大学生などを支援し、優秀な人材を育成するため、給付型の篤志奨学金と貸与型の育英奨学金の2種類があります。  このうち、貸与型の育英奨学金について、直近4か年の新規利用者数は、平成30年度101人、令和元年度86人、令和2年度52人、令和3年度は73人となっております。  議員御指摘のとおり、この育英奨学金について、平成27年度から、卒業後に地元静岡市で活躍してもらうことを目的に、新規の育英奨学金利用者を対象とする返還免除制度を開始したところです。これは、大学や短大などを卒業後、本市に居住し、就業した方を対象に最大で返還額の2分の1に相当する額を免除するものです。令和元年度からこの制度を利用した返還免除が初めて適用されることとなりましたが、現時点での利用者は1名で、令和3年度には新たに20人程度の利用を見込んでいます。  次に、今後の奨学金貸与者への支援の拡充についてですが、現在の静岡市育英奨学金貸与者への支援としては、本市独自の返還免除制度のほかに、日本学生支援機構の奨学金の対象にはならない高校生や大学生なども対象とした選考の実施や奨学金の返還時期の猶予に関する個別相談などを行っております。  今後の本市奨学金制度の在り方については、令和2年度から拡充された日本学生支援機構の奨学金制度による影響や、総務省の奨学金を活用した若者の地方定着促進要綱の活用の可能性も踏まえ、4次総策定の中で検討してまいります。 19 ◯企画局長(松浦高之君) 新幹線通学費貸与事業のこれまでの利用状況及び返還免除の現状についてですが、本事業は平成28年度に開始したもので、直近4か年の利用状況は、平成30年度101人、令和元年度79人、令和2年度27人、令和3年度は5月末時点で60人、延べ267人に新規貸与の決定をしています。  また、返還免除の条件として、大学等卒業後も本市に住み続け、市民税を納付した方を対象としております。その返還免除の現状は、令和2年度末時点において、卒業等により対象者となった84人のうち約56%の47人が返還免除となっています。  ちなみに、本県におけるUターン就職率は約35%であり、本事業はこれを上回る約56%が地元就職していることから、事業成果は大きいものと認識しております。 20 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 住まいの支援と居住支援に係る2点の御質問にお答えします。  まず、本市における生活困窮者に対する住まいの支援の現状についてですが、生活困窮者に対する住まいの支援として、2つの事業を実施しています。  1つ目は、居所がない生活困窮者に一時的な宿泊場所と食事を提供する一時生活支援事業です。  2つ目は、離職等により居宅を喪失した者などに、9か月を限度として家賃相当額を支給する住居確保給付金事業です。  次に、これらの事業の利用状況についてですが、一時生活支援事業の利用者は、令和2年度は36人おりましたが、令和3年度は5月末時点で3人となっています。  そして、住居確保給付金事業の支給決定件数は、令和2年度は138件ありましたが、令和3年度は5月末時点で4件となっています。  次に、生活保護受給者や生活困窮者等に対する居住支援の今後をどのように考えているかについてですが、居住支援は、先ほど答弁した生活困窮者に対する一時的な住まいの支援とは異なり、住まいの確保に困難を抱える人に対して、継続的に行政や不動産関係団体、NPO法人等が協働し、手頃な家賃で保証人の心配なくスムーズに入居できる住まいの提供や生活の困りごとについての相談などの支援を行っていくものです。  本市としては、こうした支援は住まいの確保に困難を抱える人にとって、居住の安定が図られることから、今後、先進市の状況の情報収集に努めるなど、研究してまいります。   〔山梨 渉君登壇〕 21 ◯山梨 渉君 3回目は意見・要望になります。  初めに、新興津地区人工海浜、緑地等について述べさせていただきます。  要望は4点です。  1点目に、エリア供用開始に合わせて交流施設を整備していただきたいということであります。交流施設は、エリアの中心施設であり、シンボリックな重要な施設で、イメージパースにも描かれているこの交流施設ですけれども、1,700平米を超える規模が、今イメージですけれども、描かれております。  例えばPFIなどの民間活力導入など、整備手法の検討に時間もかかることが想定され、先ほど伺った中では、スケジュール的に十分間に合うのか、少々不安に思います。  ともかく、丁寧に計画を立てていただき、長く市内外の方に愛されるような施設、特に女性に支持されるようなすてきな施設になるよう整備を進めていただきたいと思います。  2点目は、トイレをはじめとする興津駅周辺の整備について具体的取組を進めていただきたいということ。  3点目に、これまでほぼ海洋文化都市推進本部のみの取組でありましたが、都市、建設、観光交流文化局など、局を超えた取組をしっかりと進めていただきたいと思います。  最後、4点目に、地域活力の起爆剤となり得る本事業をしっかり第4次総合計画に盛り込んでいただきたいと思います。  続いて、奨学金等についてです。  静岡市育英奨学金について、貸与事業の希望者が減少傾向にあるということでありました。他の奨学金との兼ね合いもありますが、ニーズにしっかり合致しているのか、利用者一人一人にしっかりと調査を丁寧に行っていただいて、今後の在り方を検討していただきたいと思います。  新幹線通学費貸与事業はおおむね好評であるようですが、あえてデメリットを挙げれば、これは県内の学生や新幹線で通学ができない距離の学生は活用できません。不公平な面もあります。総合的な検討を第4次総合計画に合わせて進めていただき、学び続けたい方を支えて、そして静岡に住み、就労してもらえるよう、国の制度を有効に活用しながら、返済支援を拡充できるように取り組んでいただきたいと思います。  居住支援についてです。  御答弁にもありましたが、現在、生活困窮者への市の支援としては、一時的な居住の確保、そして資金面の支援にとどまります。この方が例えば市営住宅に入居したくてもすぐに入居につながるわけではありません。緊急連絡先や連帯保証人などの壁もあります。そもそもセーフティーネットであるための市営住宅の入居条件が住宅確保要配慮者の実情に合っていないんじゃないかとも感じられます。  こうした行政の手が行き届かない部分をフォローするためにも、先ほど紹介させていただいた居住支援法人との連携が大変重要になってまいります。質問でも触れましたけれども、住宅確保要配慮者の支援強化のためにも、国の補助事業を活用した法人の下支えが必要です。  また、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居促進をするために、関係団体が連携して支援強化を進める居住支援協議会が各自治体で設置されております。全ての都道府県、そして政令市の中で13都市が既にこの協議会を設置しております。多くの自治体でも設置が増えておりまして、年々増加している状況でございます。  これは各地域で問題となっている空き家の利活用、また地域包括ケアシステムの構築のためにも大きく期待されます。  中央大学法学部、宮本太郎教授は、住宅確保支援については、生き難さがあっても低所得でも孤立せずに暮らせる地域的居住を地域の連携で実現していく必要がある。地方自治体でも住宅部局と生活支援や経済支援の部局を連携させる政治のイニシアチブが重要だ、このように述べております。  静岡市は、未設置です。ぜひとも御検討をお願いしたいと思います。  最後に、第4次総合計画策定についてです。  市長から、持続可能性、これが必須の要件であると。SDGsを組み込んでいく、またグリーン、デジタル、これを根幹にする、こうした構想の一端を伺うことができました。  御答弁いただいた視点は、公明党としてもこれまで重要視してきた視点であります。ぜひとも全国をリードする取組に期待したいと思います。  パンデミックという時代の転換点にあって、変化する時代の潮流を見据えて、静岡市の未来を描くことは容易なことではありませんが、ヒントは市民の声の中にあります。  今後、練り上げられていく施策が形骸化することなく、市民の生活に生かされるような地に足の着いたものになればと思います。  また、人口に関して、先ほど局長から定住人口70万人に匹敵する人口活力という新しい表現で御答弁いただきました。つまり、70万人という人口数値ではないということであります。  ちょうど週末に国勢調査の速報値に関する報道がありました。静岡市、人口70万人を割るとの見出しに、様々な意見があります。  私は、人口総数だけに目を奪われることなく、未来をしっかりと見据えて、この人口減少という現実に真正面から取り組むことが必要であると考えます。重要なことは世代間人口のバランスであり、これを今後どのように、長い未来ですけれども、落ち着くようにしていくのか、そして生産年齢人口をどのように維持していくのか、地域経済の発展にこれをどうつなげていくのか、世代間でどう支え合っていくのか、具体策をどう打っていくのかが問われる大変重要な第4次総合計画になろうと思います。  持続可能な都市の構築、この大きな挑戦こそがSDGs未来都市、ハブ都市としての責務であると申し上げ、全ての質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 22 ◯議長(鈴木和彦君) 次に、杉本 護君。   〔杉本 護君登壇〕 23 ◯杉本 護君 それでは、通告に従い質問します。  大項目1、ジェンダー平等社会について。  まず、パートナーシップ制度について伺います。  これは、我が党に来た一通のメールが質問の1つのきっかけとなっています。  ジェンダー平等社会とは、性差による差別のない社会です。日本はジェンダーギャップ指数が156か国中120位、まさにジェンダー後進国となっています。  本市が推進しているSDGsは、ジェンダー平等の実現を求めています。  市長は、2019年2月の議会における施政方針で、性の多様性への理解を深めるために、性的少数者への電話相談や交流の場を設け、LGBTの皆さんに優しい共生のまちづくりを進めていくと表明しています。  そうした中、さきの国会ではLGBTへの理解増進法案について、自民党内から基本理念に性的指向及び性自認を事由とする差別は許されないとの文言を盛り込むことに異論が出て、国会への提出が見送られました。  その議論の中で、道徳的に認められない、あるいは種の保存に背くなど、差別発言が相次いだことは大問題だと思います。  そこでお聞きしたいと思います。  さきの国会への提出が見送られたLGBTに関する法案をめぐる議論について、市としてどのように考えているのか、お願いします。  次に、大項目2、新型コロナ感染症対策について伺います。  まず、ワクチン接種です。  本市は、当初65歳以上の高齢者を8月中旬まで、市民全体を来年2月末までに接種する予定でした。それを政府の要請で、高齢者は7月末までに早める中、今度は菅首相が党首討論で、11月末までには希望する全ての国民の接種を実現したいと表明し、本市は2月末完了のスケジュールで進めている中、様々なトラブルも発生し、本当に実現できるのか疑問に思い、質問を準備しました。  総括質問の1日目で、ワクチン接種の質問があり、11月末までの完了を目指して、大規模接種会場の確保、歯科医師への協力要請、8月上旬には新予約システムの導入、接種時間の延長など、様々な対策を行うとの答弁がありましたが、念押しするために改めてお聞きします。  65歳以上の方を前倒して接種することによる市民全体の接種のスケジュールの変更についてお答えください。   〔杉本 護君質問席へ移動〕 24 ◯市民局長(秋山 健君) LGBTに関する法案をめぐる議論についてですが、新聞報道などによりますと、法案の趣旨は本市が目指す性の多様性を尊重する共生意識を広く浸透させ、誰もがその個性と能力を発揮できる社会の実現と合致するものであり、関心を持って見守っていました。  本市としては、今後も国の動向を注視するとともに、性の多様性の理解を一層促進させてまいります。 25 ◯保健所統括監(松田仁之君) 市民全体の接種スケジュールの変更についてですが、早期の集団免疫獲得のためにも、大規模接種会場の確保や接種会場の時間延長など、世代に応じ接種しやすい環境づくりに努め、11月末までの完了を目指します。 26 ◯杉本 護君 パートナーシップ制度についての質問を続けます。  先ほどの答弁で、本市としてもLGBTの皆さんへの差別解消に向けて取り組んでいくことを再度確認しました。  このパートナーシップ制度とは、同性カップルの関係性を婚姻相当に認める制度です。証明書を発行することで、法的な配偶者のように、生命保険の受け取り、家族としての公営住宅への入居、病院での面会や同意書へのサイン、会社の福利厚生の利用などのサービスが期待されます。  2019年11月議会で、山梨議員の質問に市長は、パートナーシップ制度の導入に向けて、一歩一歩安心して生活できる都市環境づくりを進める、こう答弁し、市民局長もサービスが利用しやすい環境整備を課題として挙げています。しかし、どちらも非常に抽象的な答弁です。  そこでお伺いします。  パートナーシップ制度の導入に向けてどのような環境をつくる必要があると考えているのか、具体的にお願いします。 27 ◯市民局長(秋山 健君) 本市では、平成30年度に実施した性的少数者に関する調査結果を踏まえ、第3次男女共同参画行動計画の中間見直しを行い、性的少数者施策を新たに組み入れました。  令和元年度から2年度にかけて、市民対象の啓発講演会や企業向けの実践セミナーなどを開催し、性の多様性の理解促進に取り組むとともに、電話相談や交流会──にじいろカフェを実施し、性的少数者の生きづらさなどの困難解消を図ってまいりました。安心して生活できる環境づくりのためには、行政だけでなく、企業の取組も重要であると考えています。  そこで、令和3年度は企業に対するヒアリングを実施して、企業向けのガイドラインを作成し、企業等の取組を後押ししていくなど、引き続き環境づくりに努めてまいります。 28 ◯杉本 護君 今の答弁ですが、私からしますと何か回りくどいような具体性に欠ける答弁と感じていました。  私も、パートナーシップ制度は法的拘束力がないため、性的少数者に対する理解を市民や企業に広げていくことは非常に重要だと考えています。  しかし、本市は、じゃどの程度まで環境整備が整えば、制度が導入できると考えているのか、それは分かりません。既に全国では100を超える自治体が導入し、多くのカップルが利用しています。そうした自治体と本市の環境にはどれだけの差があるんでしょうか。  そこでお聞きします。  導入するための環境づくりについて、現在どこまで進んでいると考えているのか、お願いします。 29 ◯市民局長(秋山 健君) 第3次男女共同参画行動計画の中間見直しにおいて、LGBTなど性的少数者の認知度と性的少数者に対する取組を行っている事業所の割合をモニタリング指標として設定いたしました。令和3年度に2回目の調査を実施し、平成30年度からの数値の動向により、理解促進等の状況を把握してまいります。 30 ◯杉本 護君 環境整備の達成度の把握がこれからということですが、私は性的少数者を理解する世論というのは、この1~2年間ぐんと増えていると思っています。  質問を進めるんですが、市は対象範囲など、利用しやすい制度について広く意見を聞きながら、皆さんと一緒になって検討していくと答弁しています。  この制度利用を申請することが、自分の性的指向をカミングアウトすることになり、ハードルが高いとの意見もあります。  既に制度化した浜松市では、対象を事実婚まで広げることによって対応しているようです。  また、最近では、明石市のように、同性カップルの子供にまで対象を広げるファミリーシップ制度を導入した自治体も生まれ、制度が拡充されてきています。  そこで質問したいと思います。  利用しやすい制度とするために、制度の対象範囲についてはどのような検討を行っているのか、お願いします。 31 ◯市民局長(秋山 健君) 対象範囲については、パートナーシップ制度を既に導入している他の自治体から実態を聞くとともに、令和元年度から実施している性的少数者の交流会──にじいろカフェで、当事者の皆さんから意見を聞くなどして、本市の制度の在り方を検討しております。  今後も当事者の皆さんが利用しやすい制度とするため、広く情報収集に努めてまいります。 32 ◯杉本 護君 検討の中身を答えてくれませんので、どこまで検討が進んでいるのか、あまりよく分かりません。  本市は、この間の議会で全国一律の制度が望ましいとの答弁もしています。確かにそのほうがどこに転居しても同じように利用することができます。  しかしながら、今の政府ではなかなか実現が難しいように私は感じています。むしろ、地方から次々と制度を確立させて、国の姿勢を変えていくぐらいの取組が必要ではないでしょうか。そして、本市が制度を導入して市の姿勢を示すことで、市長のいう都市環境づくりも前進すると私は考えます。
     政令市では、既に16市で制定され、本市はジェンダー平等の後進都市となっています。  そこでお聞きします。  SDGsを先進的に進めていくことを自認している本市として、まずはパートナーシップ制度を直ちに導入すべきではないでしょうか、お願いします。 33 ◯市民局長(秋山 健君) 誰ひとり取り残さないというSDGsの理念にのっとり、性的少数者の置かれている困難な状況を解消するため、パートナーシップ制度の導入に向けた環境づくりをより一層進めてまいります。 34 ◯杉本 護君 環境づくりにこだわっていれば、どんどん遅れていくんです。  この制度は、条例を基にする渋谷区型と要綱で運用する世田谷区型がありますが、どちらにするにせよ必要なのは現在制度がないことで、差別的な扱いとなっているLGBTの皆さんの状況を一刻も早く改善することだと思います。改めて制度の実現を求めます。  次に、静岡市役所における女性職員の管理職登用について伺います。  ジェンダー平等社会をつくる上で、意思決定の場に女性を登用することは、論をまちません。  本市も現在、静岡市職員のための子育て・女性活躍支援プランの下、女性管理職の割合を増やす取組を行っています。議会事務局の協力で政令市の令和3年度の女性管理職の状況を調べました。お手元の資料ですが、本市の参与級以上は8.2%で18位、課長級は15.6%で14位、いずれも平均以下となっています。  そこでお聞きします。  本市の女性職員の管理職登用の現状についてどのように評価しているんでしょうか、お願いします。 35 ◯議長(鈴木和彦君) 杉本君、マスクをしているんで、もう少しゆっくり、はっきり質問してください。 36 ◯総務局長(渡辺裕一君) 本市職員は、おおむね50歳代で管理職に登用されています。しかし、50歳代職員における女性の割合が約2割と低く、急激に女性管理職を増やすことが難しいため、第5期静岡市特定事業主行動計画において、女性職員の管理職登用率を令和4年度末までに12.0%以上とする実効性のある目標を定めております。  近年3か年の登用率の実績としましては、令和元年度11.2%、2年度12.1%、3年度13.2%と、目標を達成しているところでございますが、現状をよしとすることなく、今後も将来を見据えて、優秀な人材を積極的に登用してまいります。 37 ◯杉本 護君 今の答弁で管理職を担う50歳代のうち、女性が2割と低いために、急激に女性管理職を増やせないと言っていましたが、そもそも採用が少ないのか、それとも途中で辞めてしまったのか、いずれにしてもこれまでの市の人事政策に問題があったんじゃないかと推察します。  さて、本市は2019年度に全職員を対象に特定事業主行動計画の策定に向けた各種調査を行い、先ほど述べた支援プラン作成の重要なデータとなっています。この調査で、どのような取組や制度を実施すれば、女性の管理職が増えると思うかとの質問に対して、女性職員の回答は、年次有給休暇や両立支援制度を取得しやすい職場環境づくりや育児休業取得者への実務に係る復帰支援が上位にあります。  両立支援制度とは、仕事と子育て等の両立支援をいい、男性職員の家事・育児参加の促進がうたわれています。最近、千葉市が2019年度の男性職員の育休の取得率が政令市で断トツの92.3%を達成したことが大きく報道されました。  その一方で、本市は3.4%、最下位です。総務省から男性が育休を取ることは、多様な人材を生かすマネジメント力の向上や子育てに理解のある職場風土を形成する観点から重要との通知が出ています。男性職員が育休を取りやすい職場環境をつくることが女性職員にとっても、仕事と子育ての両立ができる職場環境につながると思います。  そして、育休取得率を改善するには、なぜ低いのか、その原因をしっかりと把握することが必要であると思います。  そこでお聞きします。  男性職員の育児休業取得率が低い原因とその対策をどのように考えているのか、お願いします。 38 ◯総務局長(渡辺裕一君) 男性職員の育児休業取得率が低い原因についてですが、令和元年度の職員意識調査から、主に職員の制度の理解不足と育児休業を取得しにくいと感じる職場環境にあると考えております。  この対策として、令和2年度、子供が生まれる職員と所属長が制度や育児と仕事の両立についての理解を深める場として、休業前の育児フォロー面談を導入するとともに、育児休業を取得した男性職員の体験談を全庁に発信し、男性職員も育児休業を取得しやすいと思える職場風土づくりに取り組みました。  その結果、男性職員の育児休業者数は、令和2年度は30人となり、令和元年度の6人と比較し、大幅に増加しております。 39 ◯杉本 護君 千葉市では、育児休業を取らない理由を聞くことで男性の育休が驚異的に伸びたと言われています。本市の育児フォロー面談も同じような効果を得ているように感じます。  今後も育休を取ってもらう、そういった立場で面談を進めていただきたいと思います。  さらに、本市の調査では、育休が十分に取れない理由に、男性職員は職場に迷惑がかかる、女性職員は職場が育休を取りにくい雰囲気、そういう回答が上位にあります。取得しにくいと感じる職場環境とは、人員不足から来ているのではないかと思います。  そこでお聞きします。  育児休業を取得する職員の代替職員の配置はどうなっているのか、お願いします。 40 ◯総務局長(渡辺裕一君) 本市では、1か月以上の育児休業を取得する職員がいる職場に対しては、正規職員または会計年度任用職員を代替職員として配置しております。 41 ◯杉本 護君 調査では、男性の育休の場合、1か月未満の回答が48%、約半数です。ジェンダー平等からも、より長期間の育休で育児に関われるよう取り組んでいただきたいと思います。  もう1点、女性の管理職が増える取組として、育児休業取得者への実務に係る復帰支援が挙げられていますが、この回答からは長期間職場を離れることへの不安を感じ取れます。  そこでお聞きします。  育児休業取得者の職場復帰に対する支援はどうなっているのか、お願いします。 42 ◯総務局長(渡辺裕一君) これまでも職場復帰への不安を解消するため、育児休業中に多様な働き方や制度を共有する、育児休業取得者と先輩職員との情報交換会の開催や、復帰後には最新の実務をサポートする行政実務研修を実施してまいりました。  さらに、令和2年度からは、職員一人一人に寄り添った支援を強化するため、育児休業中に所属長が月1回、職場の現況について情報提供を行い、また復帰時には今後の働き方や仕事の進め方について話し合う育児フォロー面談を実施することで、職員のスムーズな職場復帰につなげております。 43 ◯杉本 護君 令和2年度から支援策を強化したということですから、今後その効果を期待したいと思います。  さて、今回市の各種調査を基に質問してきました。調査の一部しか紹介していませんが、調査の結果から、ぎりぎりの職員配置により、長時間労働が常態化していることが女性職員の管理職登用を妨げている大きな原因になっていると、私は考えます。  1つは、身近な管理職の働き方を見る中で、女性職員の昇任意欲がそがれていること、さらに男性職員は育休取得で周囲に迷惑がかかることから、取得率が低く、仕事と子育てを両立できない職場環境になっていること、これらが女性管理職の少なさにつながっているのではないかと思います。  そこでお聞きします。  意欲のある女性職員を育成し、市民サービス向上につなげるためにも、ゆとりのある職場が必要であり、市全体として正規職員を増やす必要があると考えますが、いかがでしょうか。 44 ◯総務局長(渡辺裕一君) 現在本市では、第2次静岡市職員適正配置計画に基づき、職員の適正配置を実施しております。この計画は、職員の効果的、効率的な配置を目的としたものであり、例えば新たな行政需要等に対しては必要な職員を確保するほか、局内や局間においても適宜配置を調整するなど、柔軟に対応しているところでございます。  今後も引き続き、職員の適正配置に取り組んでまいります。 45 ◯杉本 護君 女性職員の管理職を増やすことは、市の施策を豊かにして、必ず市民サービスの向上につながるものと私は確信しています。  そのためには、男性職員の意識改革も重要な課題です。その突破口が男性職員の育休取得率の大幅改善ではないでしょうか。静岡市職員のための子育て・女性活躍支援プランの確実な遂行をお願いし、また女性職員が活躍しやすい環境づくりの大本の対策として、やはり市の職員の増員を改めて求めたいと思います。  次に、ワクチン接種についてです。  先ほどの答弁で11月末の完了を目指すということでしたが、具体的な工程を示すことが必要と思います。本市は、県内でも接種が遅れていますので、最大限の努力をお願いしたいと思います。  次に、ワクチンの優先接種についてですが、我が党に介護職の人から、お年寄りとの接触が多いため、優先接種できないかと要望が来ています。また、保育園や幼稚園の関係者からも、市に対して優先接種の要望が出されています。総括質問の1日目で一定の回答があったと認識していますが、改めてお聞きします。  64歳以下の方の優先接種をどう考えているのか、お願いします。 46 ◯保健所統括監(松田仁之君) 現在は、高齢者施設従事者のうち、入所施設の従事者については、入所者と併せて接種を実施しているところです。今後は国の示す優先接種の対象者のほか、介護施設の従事者、障害福祉施設の従事者、保育教諭や教員等を優先接種の対象に加え、対応を進めてまいります。 47 ◯杉本 護君 早期に具体化することをぜひお願いしたいと思います。  今回、予約システムの問題では、静岡市静岡医師会が市の制度では混乱が生じることを予見して、4月の時点で混乱を抑える方法を求めており、1回目と2回目の接種を同時予約することや、あるいは第2弾の予約対象を80歳から84歳に絞ることなどを要望したということですが、聞き入れられなかったと報道されています。  現場の意見を聞かなかったとすれば、市の姿勢には大きな問題があると考えます。  そこでお聞きします。  ワクチン接種の実施に当たって、医師会との連携はどうなっているのか、お願いします。 48 ◯保健所統括監(松田仁之君) これまでもワクチン接種の実施方法や医療従事者の確保等について、医師会との協議を重ね、連携して実施してきました。今後も引き続き連携を密にして、円滑な接種体制を確保していきます。 49 ◯杉本 護君 連携していたら、あのような報道はなかったんじゃないでしょうか。いいかげんなこと言わないでくださいよ、本当に。しっかりと連携して、信頼関係をつくっていただきたいと思います。  市の予定したスケジュールどおりに進めていくには、混乱を招いた予約システムの改善が必要です。  当市のウェブ予約システムは、入力画面が分かりづらく、またらくちんタクシーサポートともつながっていない、大変不親切なものでした。新しいシステムでは、一定の改善が見られています。それは私も分かっています。  しかし、再開初日に4時間待ちという画面が出て、本当にうんざりしました、そういう声も聞かれました。8月には新しいシステムを導入するということですが、今後64歳以下の予約は7月から始まります。そうした中でスタート直後の混乱など、一定の不安がどうしても残ります。  そこでお聞きします。  ワクチン接種の予約に当たっては、ウェブ予約システムの使い勝手の悪さをどのように解決していこうと考えているのか、お願いします。 50 ◯保健所統括監(松田仁之君) ウェブ予約システムにつきましては、随時改修をしてきたところです。  今後、市民の皆さんがより使いやすくなるよう、新たなシステムを導入してまいります。 51 ◯杉本 護君 私、7月の混乱を心配して聞いているのに、何ら回答になっていないじゃないですか。それは、まあいいや。  多くの市民がワクチン接種を待ち望んでいるんです。きちっと予約ができて安心できるように、迅速な対応をぜひお願いしたいと思います。  また、副反応への不安に応えるためにも、情報を早く、的確に発信していただくことも必要と考えています。  次に、検査についてです。  緊急事態宣言が解除された東京では、リバウンドが懸念され、まさに今リバウンド中だと思います。本市もクラスター発生が止まっていません。感染力の強いデルタ株の拡大も心配です。ワクチン接種による集団免疫は、まだ先のことです。こうした状況の下では、大規模なPCR検査で陽性者を早期に発見し、保護、治療する、これが命を守る取組だと、私は思います。  そこでお聞きします。  変異株が猛威を振るい始めている今、高齢者施設、医療機関、障害福祉施設、学校や保育園などの職員や利用者への頻回、定期的な検査が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 52 ◯保健衛生医療統括監(長谷川 誠君) 高齢者施設、医療機関、障害福祉施設、学校、保育園などの職員や利用者などへの頻回、定期的な検査についてですが、これらの施設はクラスターになるリスクが高いことから、これまでも陽性者が判明した場合には、濃厚接触者だけでなく、接触の可能性のある方を広く対象者として検査しています。  今後も引き続き早期発見及び早期介入を図るため、濃厚接触者の特定や検査を速やかに実施していきます。  なお、高齢者施設及び障害福祉施設については、厚生労働省が抗原簡易キットの配布事業を進めています。 53 ◯杉本 護君 陽性者が出てからの検査では、迅速といっても、やはりタイムラグがあります。ワクチン接種が行き届いていない今は、無症状の感染者を早期に発見して、感染拡大を防ぐには、やはり私は大規模検査しかないと思います。人の命を救う取組として、ぜひもう一度考えていただきたいと思います。  次に、事業者の経営支援についてお伺いします。  新型コロナの感染拡大が止まらない中で、事業者の経営は既に崖っ縁です。事業者への支援としては、6月議会の補正で観光や宿泊を促す支援策やモバイル決済、キャッシュレス決済に対応した商店などでの消費喚起策があり、また感染予防策としては、予備費を使った、県の安全・安心認証飲食店への5万円の奨励金などがあります。  しかし、新型コロナの影響を受けながら、市の支援策の網にかかっていない業者も多数残されていると思います。  そこでお聞きします。  6月補正での市の支援策では、対象となっていない業種や事業者があると思いますが、これらの事業者への対策をどう考えているのか、お願いします。 54 ◯経済局長(加納弘敏君) 6月補正予算では、業種を問わず、中小事業者のBCP策定による業務継続強化に向けた支援とともに、消費喚起を通じた様々な事業者への支援に取り組んでいくよう考えております。  これに加えて、従前からの資金繰り支援や経営相談についても継続して行っており、これらを通じて今後も幅広く事業者の支援に努めてまいります。 55 ◯杉本 護君 今の答弁ですが、融資と相談では、一般的な経営支援策の域を出ていないと思います。  また、BCPというのは自然災害やテロ、感染症に備えて平時や緊急時に行う事業継続計画をいいますが、家族経営のような小規模事業者、一人親方などには、どれだけ有効でしょうか。借入れも返す当てがなければ、皆さんちゅうちょしています。今求められているのは、コロナ禍での支援です。2月の補正で飲食店を対象に10万円の直接支援を行ったことは、私は歓迎していますが、やはりこのときもなぜ飲食店ばかりと、経営の苦しい業者の方からの不満の声も聞こえました。  新型コロナの感染が収まらない中で、事業者への支援は全く不十分です。本来は国がもう一度、持続化給付金や家賃支援給付金などを行うべきと考えていますが、今それが行われていません。  そうしたことを考えたときに、国の対策が不十分だからこそ…… 56 ◯議長(鈴木和彦君) あと1分です。 57 ◯杉本 護君(続) 本市はもう少し頑張ろうという思いを込めた支援を行う必要があるのではないかと思います。  そこでお聞きします。  人の移動自粛を求めている現在の状況では、まずは現金給付のような直接支援しかないと思いますが、市はどのように考えているのか、お願いします。 58 ◯経済局長(加納弘敏君) 事業者支援に当たっては、新型コロナウイルスの感染状況やワクチン接種の進展等を踏まえ、業界や事業者のそれぞれの状況、またはニーズに応じた効果的な支援を行うことが重要であると考えております。このため、現時点では現金給付のような直接支援を実施することは考えておりません。 59 ◯杉本 護君 最後。 60 ◯議長(鈴木和彦君) もう時間ないですよ。 61 ◯杉本 護君(続) 最後に言いたいのは、やはり今の実態、コロナ禍という状況の中での支援をお願いしたいと思います。通常の状況であれば、皆さん頑張りますから、そのことをもう一度考えていただくことをお願いして終わります。 62 ◯議長(鈴木和彦君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時51分休憩    ───────────────────         午後1時再開 63 ◯副議長(山根田鶴子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。
     次に、宮城島史人君。   〔宮城島史人君登壇〕 64 ◯宮城島史人君 それでは、通告に従い、質問を始めさせていただきます。  志政会所属、新人の宮城島史人です。改めてどうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、大項目1、5大構想の海洋文化の拠点づくり、歴史文化の拠点づくりからみた三保半島について。  中項目の世界文化遺産としての現状とマリンリゾート化への展開についてであります。  三保半島の観光振興は、今後の本市の発展に必要不可欠と考え、三保半島に関する7つの質問を始めさせていただきます。  まず、1つ目の質問です。  三保半島の特色を生かした今後のまちづくりについて、市の考え方はどうなのかをお伺いいたします。  私は、三保半島に生まれ、三保半島で育ち、ほぼ現在に至るまで三保半島で観光関連の仕事をしながら、大半を過ごしてまいりました。自他ともに認める三保っこであります。  三保は、万葉集以降、多くの和歌の題材となり、羽衣伝説の歌謡の舞台にもなりました。15世紀、16世紀には、三保松原との構図が富士山画の典型になり、その頃の三保のほとんどは、御穂神社の社領地になっており、村民は残りの土地での半農半漁の生活をして暮らしていたそうです。  そんな背景があり、明治時代から大正時代にかけてアメリカへ移民した三保の村民は、何と2,000人を超えていました。その当時、三保はアメリカ村と言われていたこともあり、私の親戚もアメリカに今でも多く住んでおります。  私の子供の頃は、朝は地引網を手伝い、昼間は近くの温室でトマト、キュウリ、枝豆を栽培するのを横目で見ながら過ごし、夏になると、真崎海岸に多くの海の家が立ち並び、海水浴場が県内外の多くの人たちでにぎわっていました。ちなみに、三保海水浴場は大正2年、1923年に伯梁と大正という2軒の海の家で始まったそうです。  私の思い出は、砂浜がとても長く、子供の素足では波打ち際まで行けないほど、砂浜が熱くなり、途中で海浜植物の草の上に足を載せて、冷やしてから海まで走って入ったものでした。今の海水浴場を見ると、海岸侵食とスーパー堤防によって、残念ながら昔のよき時代とは少しかけ離れた景観になっています。  また、昭和50年頃までは、三保地区は日本鋼管の清水工場、金指造船、三保造船と多くの造船所が栄え、波止場から水上バスに乗って通勤する人が毎回、満員状態で運航しており、地元の商店街の人たちも活気にあふれ、とてもにぎわっておりました。  そんな昭和から平成、令和と時代が移り変わり、三保半島も時代に合わせて変革してまいりました。1980年代の造船不況の波をもろにかぶり、三保地区の造船業界は撤退、縮小を余儀なくされて、その後バブル崩壊と続き、観光サービス業である宿泊施設や観光飲食業も大きな痛手を負いながらも、企業努力などにより、生き延びてまいりました。  その中で、2013年6月に、三保松原が世界文化遺産富士山の構成資産に登録され、全国から多くの観光客が訪れてくれるようになり、2019年4月にビジターセンター機能を持ったみほしるべがオープン、また、日本三大美港の清水港には、多くの大型豪華客船が訪れるようになり、いよいよ三保半島はこれからだというときに、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、ほとんどの機能がストップしてしまいました。  これからまちづくりを進める上でも、このような状況の中、どのようにして立て直していくかが大変重要だと考えます。  2つ目の質問です。  今年4月にオープンした三保ビーチステーションについてですが、今後どのような役割を期待しているのかをお伺いいたします。  現在、三保真崎地区には三保ビーチステーションが整備され、運営を開始しています。真崎地区には年間を通じて海洋スポーツや釣り、夏には海水浴場に多くの市民や観光客が訪れ、にぎわいを見せております。それぞれのルールづくりは進められておりますが、統一したルールづくりがなく、中には利用者同士のトラブルも現場では発生していることもあり、今後の海洋レクリエーションの活性化や回遊性の向上を図るためにも、早急の対応が必要と考えます。  3つ目の質問です。  三保半島渋滞緩和に向けた羽衣海岸線の整備状況と今後の進め方はどうかをお伺いします。  コロナ禍の中でも今年5月のゴールデンウイークには、三保街道や羽衣の松に続く神の道の側道は、観光客の自動車で大渋滞を起こし、市民の生活道路が機能麻痺を起こして、住民からは観光客は要らないとまでいう発言が出ています。コロナ終息後には、さらなる状況悪化が予想され、渋滞緩和に向けた対策が急務と考えます。  4つ目の質問です。  このたび太平洋岸自転車道がナショナルサイクルルートに指定されましたが、期待される効果はどのようなものかをお伺いいたします。  静岡市内の海岸線沿いには、今年5月に国土交通省からナショナルサイクルルートに指定された太平洋岸自転車道が整備されており、休日になると多くのサイクリストが利用しているのを目にいたします。三保半島もその沿線上にあり、特に三保地区は平坦な地域で、信号機も少なく、三保松原や海を見ながら自転車で走るには最高のロケーションであります。市民や観光客が自転車を利用して休暇を楽しむことは、健康増進や癒やしにも大変有効だと考えます。  5つ目の質問です。  水上バスとシェアサイクルの利用促進は、どのように進めていくのかをお伺いいたします。  観光客にとって、交通の足は大きな要素を占めており、これからの脱炭素社会を見据え、マイカーに代わる交通機関も考えていく必要があります。  現在、三保への公共交通や観光の目玉として期待される水上バスやシェアサイクルについては、利用促進に向けた取組が必要ではないかと考えます。  6つ目の質問です。  現在、松の保全のために会場が利用できない状態になっております羽衣まつりの概要と、令和3年度の取組はどうなっているかをお伺いいたします。  世界文化遺産である羽衣の松を会場に開催される歴史ある羽衣まつりは、今年で38回目を迎え、市民の楽しみの1つになっております。  この時期に披露される能「羽衣」はすばらしく、まさしく三保松原が芸術の源泉であるあかしだと思っています。  演者として出ていただいたことがある能楽師の佐野 登氏が地元清水第五中学校の卒業生という縁から、五中の生徒の皆さんに能「羽衣」を教えてくださり、その成果として、毎年このお祭りで披露し、生徒たちの郷土愛を育んでおります。  7つ目、最後の質問です。  三保地下海水を利用したトラウトサーモン陸上養殖事業の進捗はどうか。また、今後の展開はどのように考えているかをお伺いします。  旅の楽しみには食は欠かせません。現在では中止になっていますが、毎年清水港マグロまつりや由比桜えびまつりが開催されて、多くの観光客や市民でにぎわいを見せ、清水のマグロ、由比のサクラエビというブランドが生まれ、全国的にも有名であります。  そうした中、三保でのトラウトサーモンの陸上養殖が進んでおり、今後のしずまえブランドの新たな魅力として期待されているところでございます。  以上、1回目の質問とします。 65 ◯市長(田辺信宏君) 私から、大項目1、5大構想の海洋文化と歴史文化の拠点づくりからみた三保半島についてのうち、三保半島の特色を生かした今後のまちづくりについて、市の考え方はどうかとの御質問にお答えいたします。  議員の三保半島に対する強い思いをしっかりと受け止めさせていただきました。確かに三保半島はプリズムのような多面性を持った特色を持っております。  訪れる場所として、世界文化遺産に登録された三保松原をはじめとする自然環境や歴史資源、あるいは働く場所として、臨港地区には造船所をはじめとした製造業の様々な工場が立地する。さらには、学ぶ場所として、東海大学海洋学部をはじめとする海洋関連の教育施設が設置されている、多面性に満ちた特色のある地区だと理解しております。  それを3次総においても、私どもは磨き上げをしてまいりました。例えば、三保松原周辺の環境の保全であるとか、ビジターセンターとしてのみほしるべの整備であるとか、神の道の整備、あるいは地元組合と公民連携の土地区画整理事業への支援、あるいは富士山の眺望を背景とした景観計画重点地区の指定などに取り組んでまいりました。  一方、午前中の質問にもありましたが、道路整備や無電柱化に向けてのインフラの整備、あるいはソフト施策として、水上バスや自転車を活用してアクセスの向上とか、回遊性の向上を意図した観光政策も進めてまいりました。  これらを踏まえ、今後どのようにまちづくりをさらに進めていくかが問われているかと思います。その道しるべになるのは、2019年、開港120周年を節目に、令和元年ですね、策定した清水みなとまちづくりグランドデザインであります。これは公民連携協議会がおおむね20年後、2040年頃を想定した将来像を取りまとめてくれたものであり、これが私どもの道しるべであります。  このグランドデザインの中では、先導的に取り組むべき地区として、三保半島内では折戸湾、貝島・塚間、そして三保海岸、この3つの地区を位置づけております。これは、3つとも大変重要な地区でありましょう。  中でも真崎や内浜を中心とした三保海岸地区はウインドサーフィンをはじめとした様々なマリンスポーツに適した環境を持っているということ。あるいは食の資源の豊かさ、特産の野菜とか、地下海水を生かした養殖等、人々を引きつけるコンテンツがたくさんあり、コロナ禍の状況にあっても、アウトドア活動や教育旅行での訪問需要が高まっているところであります。ポストコロナ時代では、ますます有力でありましょう。  このような場の力を生かす新たな取組として、民間業者の皆さんが内浜の桟橋に隣接する旧旅館の再生に乗り出していて、今年4月から教育旅行や研修旅行の受入れも始めたところであります。  本市行政でもこの宿泊施設の中で、水上バスの利用者や散策に訪れた方々の休憩、観光案内などを目的としたビーチステーションの整備に支援を行い、既に多くの方々に利用していただいております。  私も先日、進捗状況の確認方々、現地に赴いてまいりました。内浜から日本平に沈む美しい夕日を眺め、この風景が大きな財産であるということを改めて認識しましたし、議員が指摘するマリンリゾート化、それも世界水準のマリンリゾートになる可能性やポテンシャルを十分感じたところであります。  一方、この民間事業者の新たな取組に呼応するように、三保を建学の地とする東海大学では、来年度から人文学部を海洋学部とともに開学し、新しい考え方、スルガベイ・カレッジ静岡というものを打ち出していき、文理融合、生態系や地学、社会文化など多面的な駿河湾全体像の解明を駿河湾学と名づけて教育活動、研究活動の両面から追求していくことを表明されました。まさにこれからますます公・民・学の具体的な動き出しが強まっていくことと思われ、その相乗効果に期待しております。  このような現況を踏まえ、質問いただきました。総じて、今後の静岡市の三保半島のまちづくりについての考え方としては、引き続き世界文化遺産の保全を果たしつつ、質の高い民間投資と海洋研究産業を呼び込んで、それらに対応するハード、ソフト両面からきめ細かい支援を機動的に行うことによって、グランドデザインで掲げた道しるべ、将来像の実現につながるまちづくりを4次総の中にもしっかりと位置づけて、取り組んでいきます。  議員の架け橋としての今後の御活躍を期待するものであります。  以下は、局長及び統括監に答弁させます。 66 ◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 三保ビーチステーションに今後期待する役割についてですが、本施設は三保内浜の水上バス桟橋前に立地し、来訪者の待合スペースや観光案内の機能を有することから、本年4月のオープン以降、既に200名以上の方々が水上バス利用時や内浜散策の際に立ち寄っており、今後、三保半島内や江尻・日の出との回遊に貢献すると期待しております。  また、三保内浜では、従来から民間事業者によりサップとウインドサーフィンの大会である三保カップをはじめとするマリンスポーツイベントが開催されております。今回、海に面した常設のビーチステーションができたことで、ビーチバレー大会、定期的なマルシェの開催など、内浜を利用した新たなイベント展開が可能となり、今後、夏季に本市が設置する海水浴場との連携も含め、年間を通じた三保内浜の利活用の充実にも貢献するものと考えております。  さらに、ビーチステーションは、地元住民に対しても開かれ、内浜の清掃や将来のまちづくりなど、地元関係者の活動や打合せなどに利用されていることから、今後、情報交換や連携を深められる地域づくりの拠点としての役割も期待しております。  本市としても、今後もこのような公益的な役割を継続していただくため、引き続きビーチステーションを活用したイベント活動や回遊促進などを支援してまいります。 67 ◯建設局長(海野 強君) 三保半島の渋滞緩和とナショナルサイクルルートについての2点の質問にお答えいたします。  まず、三保半島の渋滞緩和に向けた羽衣海岸線の整備状況と今後の進め方についてですが、羽衣海岸線は国道150号から三保松原へアクセスする都市計画道路で、現在、三保半島を東西に結ぶ2.2キロメートルの整備を実施しています。  事業進捗としては、国道150号から清水南高校までの760メートルを平成31年4月から部分的に供用開始しました。このことによって、地区内の交通分散化が図られ、地域の皆様からは安全・安心な通行ができるようになったとの声をいただいており、さらなる事業進捗が期待されています。  今後も地元及び関係機関の御協力をいただきながら、用地取得と工事を継続的に実施し、事業効果を早期に発現できるよう、部分供用を図りつつ、全線の開通を目指してまいります。  次に、ナショナルサイクルルートの指定により、期待される効果についてですが、本年5月にナショナルサイクルルートに指定された太平洋岸自転車道は、千葉県銚子市から和歌山市に至る全長1,487キロメートルの自転車道で、本市ではこのうち58キロメートルがルートとなっており、その一部は三保半島を一周しています。  ナショナルサイクルルートは、国が指定し、観光資源と連携させたサイクルツーリズムの推進を目的としています。この指定により、日本を代表するサイクルルートとして、国内外へのPRを国が行うため、訪日外国人旅行者を含むサイクリストの誘客に大きな期待が寄せられています。  したがって、この指定は、アフターコロナを見据えた三保半島地区における新たなにぎわい創出にもつながっていくものと考えております。 68 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 水上バスとシェアサイクルの利用促進と羽衣まつりに関する御質問にお答えいたします。  まず、水上バスとシェアサイクルの利用促進についてですが、水上バスは江尻地区、日の出地区、三保地区の観光スポットをつなぐ交通手段であるとともに、洋上からの富士山を望むという特別な体験を提供する観光資源でもあると考えております。  シェアサイクルは、令和2年度に水上バスの発着所や世界文化遺産構成資産の三保松原などにポートが整備され、三保を巡る新たな移動手段となりました。  これにより、小回りの利く自転車で三保半島全域を観光でき、水上バスを使えば、清水都心ウォーターフロントとも一体的に周遊することが可能となったため、本市としましても、自動車に頼らない新たな旅のスタイルとして旅行者の皆さんに提案していきたいと考えております。  そこで、利用促進に向けては、情報発信と周遊を促進する仕掛けの2つの取組を進めてまいります。  情報発信につきましては、令和2年度に作成した三保半島のお勧めスポットや歴史を紹介する清水区サイクリングルートマップをJR清水駅の観光案内所やポート周辺の河岸の市、エスパルスドリームプラザなどの観光施設に配架し、シェアサイクルの利便性を周知してまいります。  周遊促進の仕掛けにつきましては、令和2年に好評でありました観光施設や飲食店の利用と交通料金がセットとなった清水港まぐろきっぷのような三保半島で使える企画乗車券の販売を事業者の皆さんに働きかけ、水上バスを利用した三保半島への回遊を促していきたいと考えております。  今議会に上程している補正予算にも、企画乗車券やシェアサイクルの割引支援を盛り込んでおり、これらを通して清水区内の周遊観光の促進に取り組んでまいります。  次に、羽衣まつりの概要と令和3年度の取組についてですが、羽衣まつりはフランスで能「羽衣」の上演に情熱を傾けたエレーヌ夫人を顕彰して行われる祭りで、昭和59年に始まり、令和3年度で38回目を迎えます。羽衣伝説発祥の地である三保松原で上演されます三保羽衣薪能と市立清水第五中学校の生徒による三保こども能楽などで構成されています。主催は地元企業や三保地区の自治会の皆さんで構成される羽衣まつり運営委員会が務めております。  薪能につきましては、松の保全と会場のバリアフリー化など、従来からの問題を解決するために、運営委員会が全体の見直しを行いました。この結果、令和3年度は10月23日に静岡市三保松原文化創造センターみほしるべ前広場で行うことに決定されました。  また、観覧料につきましては、薪能をより多くの皆さんに観覧していただけるよう一般観覧料を1,000円値下げし、5,000円とすると伺っております。  加えて、みほしるべや三保地区で行われるナイトイベント「あかりともるよる」と同時開催するなど、三保地区と連携した事業も考えていると伺っております。  本市といたしましても、世界文化遺産の中で行われる伝統ある文化事業として位置づけており、本市の文化振興につながるものであると考えております。  三保地区で継続していくことで、より多くの皆さんに親しまれる文化事業となるよう支援してまいります。 69 ◯経済局長(加納弘敏君) トラウトサーモン陸上養殖事業の進捗と今後の展開についてですが、この事業は、事業主体である日建リース工業株式会社が令和2年11月に養殖場を整備し生産に取り組んでいるものでございます。  三保の地下海水で育った寄生虫の心配のない安全・安心で高品質なトラウトサーモンは、本市の新たな食の魅力の1つとなり得るものであり、飲食や観光、食品製造など、幅広い産業への波及効果も期待されることから、市としても施設整備の助成のほか、連携できる可能性のある市内事業者の紹介等の支援を行っているところです。  現在までの進捗といたしましては、順調に養殖生産が進んでおり、早ければ本年9月中にいよいよ第1号の養殖サーモンが市内の宿泊施設などに出荷される予定でございます。  今後、三保の枝豆やトマトなど、地元農産物を活用したメニューや加工食品の開発、また観光ツアーの商品化などによる販路拡大及びブランドの確立に努め、地域経済の活性化を図っていくよう、引き続き、東海大学やするが企画観光局、地元の金融機関、宿泊施設、食品製造事業者等と連携して、官民一体で取り組んでまいりたいと考えております。   〔宮城島史人君登壇〕 70 ◯宮城島史人君 御答弁ありがとうございました。  それでは、2回目の質問をさせていただきます。  大項目2の中部横断自動車道の開通を見据えた観光振興について、中項目の観光への波及効果について2つお聞きいたします。  1つ目の質問です。  甲信地方からの誘客に当たり、来訪者を具体的に想定した対応が必要と考えるが、どのように対応していくのかをお伺いいたします。  中部横断自動車道は、私が20代の頃の昭和62年、1987年に「君は太平洋を見たか、僕は日本海を見たい」というキャッチフレーズの下、計画が始まり、それから34年目の本年9月に清水区の新清水ジャンクションから山梨県甲斐市の双葉ジャンクションに至る延長約74キロメートルの区間が開通する予定です。これにより、東名、新東名、中央自動車道が南北の高速道路で直結し、物流などのアクセスの飛躍的な向上が期待されています。  それと同時に、観光の面からも、清水は最初の玄関口となり、他県からの交流人口の増大が大いに見込まれ、コロナ禍で大打撃を受けた宿泊施設、飲食産業の皆さんの期待度は計り知れないものがあります。  しかし、アクセスがよくなった分、通過型の観光地になる危険性も課題として残されております。  2つ目の質問です。  教育旅行誘致における課題については、どう捉えているのか。また、どのような対応をしていくのかをお伺いいたします。  昨年より始まっているコロナ禍により、静岡市を訪れる個人観光客や一般団体のキャンセルが相次ぎ、市内の観光サービス業は瀕死の状態に陥り、今年3月には市内の大型観光ホテルも閉鎖に追い込まれてしまいました。  そんな状況下で、学校の修学旅行などの行き先も大幅に見直され、コロナが蔓延した東京などへの一極集中から、比較的感染者も少ない静岡県が注目されることになり、昨年度は多くの教育旅行が静岡市にも訪れる結果となりました。  ほかにも、静岡市は、平成15年度より静岡型体験観光推進事業を進め、お茶摘み体験や漁港体験、海洋スポーツ体験など、静岡市独自の体験を通じて、高い評価を得ており、県内でもトップクラスの先進地と認識されていたことも要因の1つであります。  これからも教育旅行は観光の柱として、大いに期待ができるものと考えます。
     以上、2回目の質問といたします。 71 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 中部横断自動車道の開通を見据えた観光振興に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、甲信地方からの来訪者の想定や対応についてですが、本年9月の中部横断自動車道、静岡山梨間の全線開通は、山梨県や長野県など、甲信地方からの来訪者を増やすチャンスであり、本市への関心や観光需要を高めていくためには、誰に何をどのように伝えるかが重要であると認識しております。  静岡県の観光の流動実態と満足度調査によりますと、静岡県への来訪者の中心は、ファミリー層やアクティブシニア層であり、この層をターゲットとし、ふさわしいコンテンツを選定して、情報を的確に届けることが必要であります。  ファミリー層を例にしていいますと、家族で楽しめる日本平動物園や東海大学海洋科学博物館、子供の体験につながる三保内浜でのマリンレジャーや日本平での茶摘みなどが効果的なコンテンツになります。  これらの情報を確実に届けるため、ファミリー層が集まる甲信地方の商業施設で行われる物産展などのイベントに出向き、来場者への説明や、チラシ、割引券等の配布を行います。  また、インターネットを活用した新たな試みとして、居住地域や年代などを指定して広告を配信することなども検討しております。  このような取組を地域の観光シンクタンクの役割を担う、するが企画観光局と連携して実施するとともに、継続的に甲信地方の皆さんのニーズや来訪者の皆さんの声を把握、分析しながら、戦略的なプロモーション活動が展開できるようにしていきたいと考えております。  次に、教育旅行誘致における課題と対応方法についてですが、教育旅行誘致における課題は、教育旅行によってもたらされる経済効果を確実に取り込むことと認識しております。  その理由として、令和2年度に山梨県内の教職員の皆さんや旅行会社向けのモニターツアーを実施したところ、参加者の皆さんからは、体験メニューや施設はよいが、大人数に対応できる食事場所や宿泊施設の選択肢が少ないという御意見が寄せられました。実際に市内での体験後、市外での食事や宿泊を手配されるケースが見受けられます。  この課題に対応するため、教育旅行の受入れが可能な食事場所と宿泊場所を増やす取組を進めてまいります。  食事場所につきましては、例えば商店街全体を食事場所に設定し、生徒の皆さんが好きなお店で食事できるような形にするなど、地域の飲食店の皆さんに御協力をお願いし、食事場所を増やしていく方法などが考えられます。  宿泊場所につきましては、主に団体客を想定した宿泊施設に限らず、ビジネス客が利用する宿泊施設なども広く受皿として捉え、宿泊場所の確保を進めてまいります。  このような取組を官民連携で進め、課題解決を実現するため、事業者、教育委員会、旅行会社の皆さんに対し、本市から働きかけを行い、受入れ環境を充実させてまいります。   〔宮城島史人君登壇〕 72 ◯宮城島史人君 御答弁ありがとうございました。  それでは、最後3回目は、意見・要望を述べさせていただきます。  まず、大項目1の海洋文化と歴史文化の拠点づくりからみた三保半島についてですが、この地区は世界文化遺産の構成資産に登録される以前よりポテンシャルが高く、魅力を秘めている場所だと、私はずっと思っており、今回質問いたしました。  清水港の一角をなす三保半島は、富士と三保松原というイメージが日本人の心に出来上がっており、また日本の原風景が残されています。  しかし、三保半島には、海岸侵食や松の保全、三保街道の4車線化と無電柱化、折戸湾の再生と多くの課題が残されていることも事実であります。  市には、三保半島の普遍的価値を今後も壊さずに守っていただきながら、これらの課題についてもこれから議論させていただきたいと考えております。  大項目2の中部横断自動車道の開通を見据えた観光振興についてですが、最初に効果が現れやすいのは観光であります。コロナ禍で冷え込んだ旅行需要を取り戻すために、官民挙げて知恵を出し合い、活気を静岡市に呼び戻すことに全力を注いでいただきたく、質問させていただきました。  また、沿線上にある姉妹都市の長野県佐久市や新潟県上越市などとの交流もさらに深めていくことが教育旅行の誘致やビジネスチャンスをつくるきっかけになるはずであり、早期に働きかけることが重要であります。  清水地区のベイエリアである蒲原、由比、興津、江尻、薩た峠などには、東海道宿場町の歴史的価値のある痕跡が数多く残されています。静岡市内には2峠6宿がございます。  昨年、日本初の旅ブームを起こした弥次さん喜多さんの駿州の旅や浮世絵が描く道中記などが日本遺産として認定され、東海道宿場町が再認識されて、大変うれしく思っております。  しかし、市民の皆さんの認識度はまだまだ低く、とても残念なことであります。  コロナ禍によってマイクロツーリズムが生まれ、改めて身近な観光地が見直されています。今こそ静岡市内で頑張っている地域を結び、広域に売り出すチャンスであります。現在売出し中のオクシズ、しずまえがしっかりタッグを組むこともこれからの観光に必要だと考えます。1日目と本日の田辺市長の御答弁の中で、世界に輝く静岡、あるもの探しというお言葉に大変感銘を受けました。今後もぜひとも市長の強力なリーダーシップの下で、当局の皆様に一層御尽力いただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 73 ◯副議長(山根田鶴子君) 次に、畑田 響君。   〔畑田 響君登壇〕 74 ◯畑田 響君 自民党市議団の畑田 響でございます。  まずは、日夜コロナウイルス感染症と闘っておられる医療従事者をはじめ、物流や食品、子育てや介護などのエッセンシャルワーカーの皆様に、敬意と感謝を申し上げます。  また、先週、本市も駆け抜けました聖火リレーのランナーの方々の思いを大切にしながら、本市ゆかりの選手も多く出場する東京オリンピック・パラリンピック開催まで1か月を切っている中、コロナの感染状況が改善していくことを願って、質問に入ります。  市議会の改選後、初の議会質問でありますが、私は今回、まちみがきと人づくりについて質問いたします。  まずは、まちみがきについてです。  大項目、歴史文化についてとオクシズ「漆の里」構想事業についてお聞きいたします。  それでは、歴史文化について質問いたします。  1つ目、歴史文化施設についてであります。  駿府城跡天守台発掘調査では、豊臣秀吉が中村一氏に命じて城を築かせたと推定される金箔瓦が出土いたしました。  旧青葉小学校である歴史文化施設の予定地での発掘調査では、戦国末期の道と武家屋敷の石垣が発見されました。これらの歴史的発見、さらには浅間神社や臨済寺、市民文化会館や中央図書館などを活用しながら、歴史と文化の薫る、そして人が回遊する地区とするための歴史文化施設の完成が待たれ、その活用を図る必要があります。  そこで、再来年の春に開館予定の歴史文化施設は、博物館機能と観光交流機能を備えていますが、歴史文化施設の集客の取組はどのようなことを考えておりますでしょうか、質問いたします。  次に、大河ドラマについてです。  徳川慶喜公に仕えながら、本市の葵区常磐町の教覚寺に居を構えて、株式会社の前身をつくり、日本資本主義の父と言われる渋沢栄一氏を主人公にした「青天を衝け」が現在放送されております。再来年の令和5年、歴史文化施設と同時期に放送予定の大河ドラマ「どうする家康」があり、これを本市としましても観光誘客につなげるとともに、地域経済の活性化の起爆剤にしていくべきと考えております。  そこで、この「どうする家康」の放送に合わせて、現在どのような取組を検討しているのか、お聞きいたします。  次に、今川歴史街道整備事業についてお聞きします。  静岡浅間神社では、現在、順次40年に一度の修復が行われ、楼門が昨年12月に3年をかけまして、国産の漆で塗り替えられました。また、北廊下が今月お披露目され、あでやかであります。浅間神社近くには今川家の菩提寺、臨済寺もあります。  今はコロナ禍で観光客を呼び込めない状況でありますが、アフターコロナを見据えて中心市街地、浅間通り商店街から臨済寺にかけて、にぎわいを生んでいくことができる地域だと考えております。  そこで質問いたします。  今川歴史街道整備事業の実施内容と観光誘客のための今後の活用方針はどのように考えているのでしょうか。  さて、本市には、今申し上げました静岡浅間神社、久能山東照宮などの漆を使った文化財が多くあり、それをしっかりと保存し、守り、後世に伝えていく義務があります。  そのような中、文化庁は、2015年に国宝、重要文化財の修復は、国産の漆を100%使うことが望ましいということを発表した一方で、国内生産量がその修復に使用する漆の量を大きく下回り、現在国内では足りない状況であります。  日本各地で国内産の漆の生産の需要が高まっております。本市では、オクシズ「漆の里」構想に取り組んでいると伺っております。  そこで、オクシズ「漆の里」構想事業の進捗はどうかをお尋ねいたします。  以上で1回目の質問といたします。 75 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 歴史文化施設に関する御質問にお答えします。  歴史文化施設の集客の取組についてですが、歴史文化施設は、家康公が75年の生涯のうち、3分の1をこの駿府で過ごしたことから設置できる家康公の一生が分かる全国初の博物館であり、駿府の歴史を語り、学びをコーディネートする博物館機能と観光の核となる地域にいざなう観光交流機能となる施設であります。  博物館の展示として、魅力のある新しい歴史資料を定期的に替えていくことで、何度も訪れたくなる工夫やぜひ見てみたいと思わせるような優れた資料を特別に展示し、分かりやすい解説なども行い、集客に取り組んでまいります。  また、コンサートや大人も楽しめるナイトミュージアムなど、皆さんが楽しんでいただける様々なプログラムを展開してまいります。  そして、観光の核として、歴史文化のまち静岡の情報を発信し、静岡浅間神社、臨済寺、久能山東照宮など、市内に点在する歴史資源と駿府城公園エリアをつなぐ歴史巡りなど、ストーリー性を持って各地へといざないます。  開館まで2年を切りましたが、市民の皆さんが愛着と誇りを持ち、また市外の皆さんからも憧れを抱き、何度も訪れていただけるよう集客促進に向けて取り組んでまいります。 76 ◯副市長(大長義之君) 大河ドラマ「どうする家康」の放送に合わせた取組についてでございますが、令和5年のNHK大河ドラマ「どうする家康」は、家康公を通じて、本市の魅力を全国に発信する絶好の機会と捉えております。  平成12年の「葵~徳川三代~」と市制110周年を記念して開催した葵博は、154万人を動員し、県内に137億円の経済波及効果をもたらしました。  また、平成30年の「西郷どん」では、鹿児島県内に328億円の効果があったと発表されています。  本市としては、大河ドラマの放送による家康公への関心の高まりを令和5年春に開館予定の歴史文化施設への誘客につなげることに加え、市内全域に観光客を周遊させ、観光消費による経済波及効果を拡大させていきたいと考えております。  既に番組制作段階における支援として、ドラマの中で駿府時代の家康公を取り上げてもらえるよう、市内のゆかりの地やエピソードなどを提案書にまとめ、ロケ誘致などの要望と併せて、本年3月にNHKに提出したところでございます。  現在は、市を挙げて家康公にちなんだ歴史資源を活用した誘客策の検討や準備を進めるほか、番組の放送に向けたさらなる一手として、大河ドラマ館の誘致も検討しており、NHKとの協議も始めております。  歴史文化のまち静岡として、そして、家康公の人生と関わりの強い地として、家康公がクローズアップされる1年を盛り上げたいと考えております。  令和5年「どうする家康」をきっかけに、本市を訪れる観光客に対し、家康公やドラマに関連した催しなどを楽しんでもらうだけでなく、本市の豊かな自然、食などの世界に誇れる地域資源に触れる体験の機会の提供を考えており、再訪につなげていくことで、持続可能な観光需要の創出や地域経済の活性化を目指してまいります。 77 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 今川歴史街道整備事業の実施内容と今後の活用方法についてですが、事業の実施内容は、令和元年度の今川義元公生誕五百年祭のレガシーとして、今川家を顕彰し、市民の皆さんにも親しんでいただくため、今川家とゆかりの深い臨済寺から静岡浅間神社を結ぶ麻機街道に、路面シートや案内看板を設置いたしました。  そして、今川義元公の銅像が設置されているJR静岡駅から歴史文化の拠点づくりが進む駿府城公園周辺エリアを経由し、臨済寺まで結ぶルートを散歩コースとし、このコースを分かりやすく紹介するパンフレットを作成いたしました。  さらに、このコースを楽しんで巡っていただけるように、御当地キャラ「今川さん」を施したデザインマンホールをコース内6か所に設置いたしました。今川家をテーマに歴史を身近に感じることができるこのコースを、旧東海道府中宿における新たなコンテンツとしてホームページなどで情報発信するとともに、ウォークイベントを企画する観光ボランティアガイドの皆さんや体験プログラムを企画する旅行事業者などに紹介してまいります。  そして、市民の皆さんや観光客の皆さんも楽しめる、歴史文化施設を中心としたまち歩きのコースとして定着させるとともに、静岡浅間神社周辺の商店街の皆さんにも、にぎわい創出や地域活性化につなげるためのコンテンツとして活用していただきたいと考えております。 78 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) オクシズ「漆の里」構想事業の進捗状況についてですが、この事業は、オクシズ地域に漆の生産という新たな産業を興し、地域の文化財や伝統工芸品に活用することなどにより、地域経済の持続的な発展を目指すものです。  事業の実施に当たっては、林業家、伝統工芸や文化財の関係者、行政などで構成されるオクシズ「漆の里」協議会を平成31年3月に設立し、これまで試験植樹や普及啓発等に取り組んできています。  主な事業の進捗状況として、試験植樹については清沢地区や井川地区などにおいて、約1.6ヘクタールに約1,800本を植樹し、その生育状況の調査、分析を国の研究機関である森林総合研究所と連携して実施しています。これにより、漆を健全に育成していくための栽培方法の確立を目指しています。  普及啓発では、様々なイベントへの出展のほか、令和2年度からオクシズ「漆」の学校と名づけた講座を開始し、市民の皆さんの漆への理解を深めるための働きかけを行っています。  また、本年10月、国内の漆関係者の連携強化を目指す団体である日本漆アカデミーの講演会、見学会が本市で開催されるため、この機会を捉え、本市の取組を全国に発信してまいります。  森林面積が市域の7割以上を占め、漆塗りの重要文化財等を数多く有する本市にとり、漆の地産地消は大きな意味を持つものと考えています。  漆の育成には10年以上かかり、息の長い事業になりますが、粘り強く取り組んでまいります。   〔畑田 響君登壇〕 79 ◯畑田 響君 2回目は、人づくりについて。まずは大項目、子どもや青少年の未来について2点お聞きいたします。  子供は、まさに国の宝であり、静岡市の宝であります。菅総理もこども庁の創設を早急に検討するとしています。  全国的に子供の貧困、児童虐待、障害、重大ないじめなど、子供に関する様々な課題に総合的に対応するため、妊娠前から妊娠、出産、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期を通じ、子供の視点に立って、各ライフステージに応じて切れ目のない支援がますます必要とされております。そのために本市でも、関係機関同士や市役所庁内での連携が急務となっていると認識しております。  1つ目は、ヤングケアラーの課題についてであります。  高度経済成長期でありました昭和から平成の初め頃までは、高齢者の人口は全人口の中での割合も低く、家族も多く、平均寿命も今と比べますと短かったので、子供や働く世代である支える側が高齢者の支えられる側に比べ多かったと思います。  しかし、現在では、御承知のとおり、高齢者の割合が増え、核家族化が進み、平均寿命も延びております。支える側が減り、支えられる側が増大し、支える側の負担が増大している社会的な人口構造になっております。  資料にありますように、親や祖父母、兄弟の介護、また世話をする若者、ヤングケアラーと呼ばれておりますが、このような若者、子供が今後ますます増えていくと予想されております。  中学生や高校生が進学などの進路を決定する際に、この家族の介護や世話を理由に、希望をかなえられない事態は何としても避け、子供たちの希望を支える仕組みが私たちの責務ではないでしょうか。  神戸市では、全国に先駆けて、ヤングケアラーを支援する専用窓口をこのたび開設いたしましたし、埼玉県では議員提案の下、ヤングケアラー支援条例が昨年3月に制定され、また三重県名張市でも、まさに本日でありますが、議会でヤングケアラー条例が議決される予定と伺っております。  私が先日、市内の地域包括支援センターの所長にお伺いしましたら、ヤングケアラーの事例が非常に多くなってきていると感じているということでありました。  今月、政府の閣議決定をされた骨太の方針2021では、初めてヤングケアラーへの支援が盛り込まれたところであります。  そこで、本市としまして、これまでにヤングケアラーについてどのような取組を行い、現状をどう考えているのか。さらに、今後の支援についてどのように取り組んでいくのかをお聞きいたします。  大項目、子どもや青少年の未来についての2点目は、子供の貧困についての情報の共有の在り方についてであります。  本市でも、平成29年度の調査では、16歳以下の子供の10.6%が貧困な状態にあると報告されています。  同じく、本市の総合教育会議でも、この子供の貧困について、平成29年度に議論してまいりましたが、継続的かつ全庁的な展開が今後求められております。  さらに、先ほど申し上げました政府の骨太の方針の中で、就学時等に格差を生じさせないなどの教育と福祉の連携、子供の安全・安心の確保、関係部局横断的かつ現場に至るまでのデータ、統計の充実、活用等を行い、困難を抱える子供への支援等が抜け落ちることのないような体制を構築すると書かれています。  学校が持つ情報、こども園や幼稚園が持つ情報、児童相談所が持つ情報、そして自治体が持つ情報を共有化し、切れ目のない支援を行うことが求められております。コロナ禍にありまして、なかなか見えにくくなっている今では、なおさらであります。  大阪府箕面市が貧困の連鎖を根絶するために、子ども成長見守り室を設置し、子ども成長見守りシステムを進めていることが非常に参考になると考えております。  個人情報の壁であったり、プライバシーの保護に対して慎重な検討が大前提であることは理解いたしますが、子供たちの見えないSOSをしっかりと捉えるためには、本市においても必要不可欠であるか否かを検討する時期に来ていると思っております。
     そこで、子供の貧困に関する情報共有について、どのように取り組んでいくのか、質問いたします。  次に、大項目、歯と口の健康についてであります。  本市は、健康長寿のまちを推進しています。口は健康の入り口とも言われています。健康で長生きをするためには、早いうちから歯と口の健康に関心を持ち、歯磨きなどのケアを進め、歯科医などの医療機関との連携が重要であると考えています。  がん、糖尿病、生活習慣病との関係においても、歯と口の健康の意義が現在非常に見直されています。  田辺市長も積極的に推進しております、80歳になり自分の歯が20本以上あることを目標にした8020運動。また本市でも舌や首の体操、発声の体操である歯っぴー☆スマイル体操も非常にいい取組だと評価しています。  昨年度着任され、熱意のある歯科医師の先生もいらっしゃいます口腔保健支援センターを中心に、市の保健部局と地元の歯科医師会との連携があってこそだと感じています。  そこで、歯と口腔の健康づくり推進計画~はつらつスマイルプラン~が本年3月に策定されましたが、その特徴は何か。また、歯と口の健康の重要性を市民にどのように周知していくのかをお聞きして、2回目の質問といたします。 80 ◯子ども未来局長(青野志能生君) ヤングケアラーと子供の貧困に関する御質問にお答えいたします。  まず、ヤングケアラーに関する2点の御質問のうち、これまでの取組と現状に対する考えについてですが、ヤングケアラーは、議員からの資料にもございますように、大人が担うような家族の介護や世話などを日常的に行うことで、学校に行けない、友達と遊ぶ時間がないなどの子供、若者とされており、健やかな成長に影響を及ぼす可能性があることからも、ヤングケアラー本人の心理的負担や身体的負担を軽減するための支援が必要です。  そのため本市では、行政、学校、民生委員、児童委員等で構成する要保護児童対策地域協議会において、ヤングケアラーの定義等について周知し、各機関においてヤングケアラーを早期に把握し、支援につなげるように努めております。  また、本市では、ヤングケアラーの現状を把握するため、令和元年度に市内全ての公立小中学校の教員を対象に実態調査を行い、ヤングケアラーの割合は小学生が0.1%、中学生が0.2%という結果を得ております。  一方、国は2年度に中学、高校生の一部を対象にアンケート調査を行っており、自分がヤングケアラーだと自覚している割合は、中学生は1.8%、高校生では全日制が2.3%、定時制が4.6%、通信制が7.2%という結果が報告されております。  これらのことから、幅広い年代で確認されるヤングケアラーを把握し、支援につなげるためには、社会的認知度を上げることが必要です。  また、ヤングケアラーの割合が高くなる中学、高校生などの若者世代については、特に相談支援につなげていくことが大切であると考えております。  続けて、ヤングケアラー支援の今後の取組についてですが、ヤングケアラーを早期に発見、把握、支援するために、次の3点について取り組んでまいります。  1点目として、本人や第三者がヤングケアラーであることに気づくためには、その社会的認知度を上げる必要があります。そのため、相談、支援に当たる関係機関に対しては、会議や出前講座等を通じて、ヤングケアラーの定義等について周知を図ってまいります。  なお、令和3年度は人権擁護委員に対する研修の機会を設け、周知することとしております。  また、本人やその家族に対しては、気づきを促して、相談に来てもらえるよう、学校などを通じ、ヤングケアラーについて啓発してまいります。  2点目は、若者世代のヤングケアラーへの対応です。  現在設けている市の子供や若者を対象とした相談窓口で、若者世代のヤングケアラーの相談に対応していくとともに、その窓口に来るヤングケアラー以外の相談者の中に、ヤングケアラーとしての支援が必要な場合がないかを把握してまいります。  3点目として、ヤングケアラーへの支援は、福祉、介護、医療、教育など、多くの分野における支援機関との連携が必要であることから、市全体の支援体制の在り方について、国からの情報や先進市の状況等も参考に検討してまいりたいと考えております。  次に、子供の貧困に関する情報共有について、どのように取り組んでいくのかについてですが、本市では全ての子供が生まれ育った環境に左右されることなく、自分の可能性を信じ、未来を切り開いていけるよう行政、学校、地域が総がかりで切れ目なく支えていくという、基本的な考え方の下、静岡市子どもの貧困対策推進計画を策定しております。  その計画の総合的かつ効果的な促進を図るため、静岡市子どもの貧困対策推進会議を設置し、支援が必要な子供、家庭に対して適切な支援を届けるための相談窓口、本市や関係機関が実施している教育や生活の支援内容、実際に行っている支援事例などの情報の交換を行っております。  一方で、支援が必要な子供や家庭が抱える問題は複雑であり、子供の貧困の状況も多様化していることから、幅広い支援を行うための連携強化が必要となってきております。  そのためには、関係機関同士が正しく状況を把握し、対応する必要があり、子供の貧困に関する情報共有の在り方については、他の先進都市の状況なども参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 81 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 歯と口の健康に関する2点の御質問にお答えします。  まず、はつらつスマイルプランの特徴についてですが、特徴は3つあります。  1つ目は、歯と口の健康に関する正しい知識を持って、健康への取組を促すため、かかりつけ歯科医の役割を明記するとともに、かかりつけ歯科医を持つことの重要性を強調したことです。  これは、虫歯や歯周病の治療に加え、定期的な歯科健診、歯科保健指導をかかりつけ歯科医で受けることにより、市民の意識を高め、予防の段階からの取組を促すためです。  2つ目は、虫歯のない子供の割合やデンタルフロスなどを使っている人の割合など、64の指標を年代や性別に応じて設けたことです。これは、乳幼児期から高齢期までの歯と口の健康状態を年代や性別ごとにきめ細やかに把握し、その評価をすることで、今後の施策に生かしていくためです。  3つ目は、食べこぼしや僅かなむせ、口の乾燥など、口の機能低下であるオーラルフレイル対策に取り組むことです。これは、口の機能をできるだけ長く維持し、自分の口からおいしく安全に食べることで、健康長寿につなげるためです。  次に、歯と口の健康の重要性を市民にどのように周知していくのかについてですが、市民の皆さんが自主的に歯と口の健康づくりに取り組むためには、まずは自分のこととして捉えていただくことが重要です。このため、歯と口の健康づくりへの興味を引き出し、日常生活で実践しやすい仕掛けづくりをしております。  例えば出前講座において、歯と口の健康を認知症や糖尿病など、市民の関心が高い疾患と関連づけて説明するほか、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方などを体験していただくことで、市民の皆さんがより理解を深め、自主的に口腔ケアに取り組んでいただけるよう工夫しています。  また、誤嚥性肺炎の予防につながる歯っぴー☆スマイル体操に主体的に取り組んでいただけるよう、リーフレットの配布に加え、動画を配信するほか、地域での介護予防活動であるでん伝体操のプログラムに取り組むなど、引き続き工夫し、周知してまいります。   〔畑田 響君登壇〕 82 ◯畑田 響君 3回目は意見・要望です。  まず、歴史文化についてであります。  大河ドラマ「どうする家康」については、ハードだけではなくて、ソフトの面でも、2015年に行われました家康公顕彰四百年祭のレガシーを受け継いでの活用をぜひお願いいたします。  大河ドラマ館を今後検討していくということでございますが、例えば民間企業がしのぎを削る仮想現実、VR技術を生かして魅力ある展示、歴史文化の情報発信をぜひしていただけますよう要望させていただきます。  国宝に指定されて10年が経過した久能山東照宮は、世界文化遺産富士山の構成資産三保松原、日本平夢テラス、日本平動物園、登呂遺跡などの観光拠点にも近く、日本平久能山スマートインターチェンジからも近いので、交通の便がいい立地にあると思っております。  久能山東照宮には、家康公の御遺骸が埋葬されており、権現造りであります御社殿もぜひ多くの方に御覧いただきたいところでありますが、同じく御覧いただきたいのが博物館で展示されております家康公の洋時計であります。この家康公の洋時計は4年前に上皇、上皇后両陛下がスペイン国王御夫妻と御一緒に本市を行幸啓された際に御覧になられております。  また、7月、来月でありますが、福岡市博物館の特別展「徳川家康と歴代将軍~国宝・久能山東照宮の名宝~」で展示されることとなっておりまして、福岡市民をはじめ多くの来場者に喜ばれると期待しております。ぜひこの家康公の洋時計を市民の皆様や観光客にも御覧いただきたく、歴史文化施設でのPRを要望いたします。  歴史文化施設、今川歴史街道整備事業に関し、駿府城公園のお堀を周遊する遊覧船、葵舟もウィズコロナ、アフターコロナを見据えて、民間企業や市民の皆様との連携を基にした活用策を検討していただきますよう要望いたします。  オクシズ「漆の里」構想事業について、現在文化庁の補助事業とされておりますが、まさに本市の宝であります文化財や伝統工芸を守り、中山間地の新たな可能性を発掘する重要な事業だと考えております。  「漆の里」構想事業を一過性にするのではなく、例えば市内の小学校、中学校、高校の子供たちに現在静岡浅間神社などで40年に一度行われております漆の塗り替え作業を見てもらうなどして、教育にも活用しつつ、継続的にこの事業を行い、「漆の里」構想の裾野が広がっていくような取組を要望いたします。  ヤングケアラーや子供の貧困に共通することは、独り親家庭の方が大きく影響を受けていることだと思っております。  コロナ禍の中で、経済的な支援策を本市で行ってきておりますが、私は、それとともに大切なことは、寄り添って相談ができる相手がいることだと思っております。  コロナ禍にありまして、学校の先生や地域包括支援センターの職員さん、介護施設や障害者施設の職員さん、民生委員さんや福祉事務所の職員さん、家庭訪問や対面時間も以前よりも少なくなっていると思われます。関わる多くの職種だけではなく、隣近所の方もヤングケアラーや子供の貧困について、ぜひ目を向けていただき、知っていただくことが重要だと思っております。  そして、目的は言うまでもなく、子供たちの健やかな成長であり、その将来を応援する我々大人の姿勢が試されているのではないでしょうか。  子ども食堂、フードバンクへの支援、地域における居場所づくり、見守り支援、学校給食など、あらゆる場や機会に応じた食育などにも取り組む様々なNPOも多くあります。その団体との情報共有も子供の貧困対策において、ぜひともお願いいたします。  歯と口の健康について、滑舌低下や食べこぼしなどの些細なオーラルフレイルへの取組が叫ばれています。認知症ケア推進センター「かけこまち七間町」や各S型デイサービス、介護事業所、高齢者施設などでもこのオーラルフレイルや歯と口の健康について、今後積極的に取り組んでいただけますようお願いいたします。  さて、フジドリームエアラインが10年ぶりに静岡熊本空港間の定期便を7月16日から就航することを発表しました。コロナワクチン接種の促進を見据えての経済情勢であります。本市もそのことを先取りしての観光需要をぜひ歴史文化からも掘り起こしていただければと願っております。  また、東京オリンピックまであと25日となりました。本市からも水泳の高橋選手、野球の岩崎選手、スケートボードの青木選手が出場します。ヤングケアラーや子供の貧困を取り上げましたが、全ての子供たちが夢を持てる本市になるための環境整備に取り組んでいただくことを切に念願し、私の質問を終わります。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 83 ◯副議長(山根田鶴子君) 次に、安竹信男君。   〔安竹信男君登壇〕 84 ◯安竹信男君 2日目、最終の登壇となりました。よろしくお願いいたします。  この6月市議会は、3月の市議会改選を迎えて、初当選した新人の議員も迎えての議会であります。市長はどんな答弁をするだろうかとか、市当局の責任ある立場の皆さんはどんな考えをしているのか、大変興味津々と、また緊張の面持ちで議会に臨んでおられるのではないかと推察するのであります。  皆さん、お気づきのとおり、市長の答弁は全議員に等しく答弁するというスタンスではございません。さきの選挙で川勝知事が当選なさったわけでありますが、参考までに川勝知事は党派、会派を超えて全議員に等しく答弁をしているということでございます。  さて、さきの選挙で川勝知事が誕生したわけでありますが、浜松市長と静岡市長がコメントを出しております。大変短いコメントでありますが、市長は川勝知事が当選したんで、民意を尊重したいということであります。川勝知事を個人的に尊重したいという意味ではないなと、こう取れる内容に受け止めたわけであります。ぜひ、市と県が連携して対話をしながら、この厳しい困難を乗り越えていきたい、こう言われているわけであります。  この2日間の議会を振り返りますと、市長が掲げる5大構想、これは大変多くの市民が期待もしておりますし、県も国も期待しているだろうと思います。国は地方創生と言って、地方の元気を期待しているわけでありますし、県知事も港を中心に、また山間地、森林の保全、これはリニアの水問題を含めてSDGsの模範県としてやっていきたい、こう言っているわけであります。  特に、市長は、国連においてもSDGsの先取りをしてきた男でありますので、このことについてはぜひとも知事と仲よくやっていただきたい。このことについて創生静岡は、知事と市長の間に入って、一日も早く多くの市民が心配している市長と知事の不仲説を真っ白にしてあげたい、こう思っております。  そんなことを申し述べさせていただきましたが、お待たせいたしました。通告に従いまして、3つの質問をさせていただきます。  まず、1点目です。  中山間地域におけるコロナウイルスワクチン接種についてであります。  新型コロナウイルス感染症が私たちの社会生活をこれほどまでに危機的状態におとしめるとは、予想だにしませんでした。大都市の暮らしも地方の暮らしも差別なく、大きなレストランも小さな居酒屋も不景気のどん底の状態であります。  三度にわたる緊急事態宣言も長期間に及び、経済の低迷は最悪であります。  コロナ感染者を受け入れる病院では、医師や看護師、医療従事者の皆さんの懸命な努力が続いておりますが、ここでやっと国民待望のワクチン接種が始まりました。今やワクチン接種を担う医師の確保が大きな課題になっております。  川勝平太知事は選挙中に、そんな自分のやったことを自慢するような話はなかったわけでありますが、平然としてこんな話をされました。  私はこの県政をあずかる12年間のうちの10年間で、奨学金制度、医学修学研修資金を活用して587人の医師確保をしてきました。これが私の実績です。  こんなふうに言っておられましたが、私は初めて聞いたことでありましたけれども、大変すごいことだったなと、こう思うわけであります。今1人の医師を確保するのにも、精いっぱいの環境が見受けられるのであります。  ワクチン接種の進捗率が何%だとか、都道府県別で何位だとか、とんでもない。そんなことを報じられておりますが、このような評価は市民を困惑させ、特にワクチン接種の現場からは、ワクチンの打ち手がいないからだと、医師不足の批判の声もあり、医師の多くが東京など、大都市部に集中するといった地域偏在の実態が露呈されているわけであります。  ワクチン接種を急ごうとする市民と行政の対応には、そごが生じております。担当部局には想定外の苦労があるようで、かいま見ると気の毒でさえあります。頑張ってくれ。  静岡市の予約受付のマニュアルに従って予約行動を起こそうとしても、インターネット予約は、高齢者にとっては難易度が高い。電話での予約においては、新型コロナワクチンコールセンターも、電話回線がつながらない、もう何十回もかけた、安竹、何とかしろ、こういう市民からの苦情はいまだ収まっておりません。  人口の少ない山間地域住民に都市と同じマニュアルで対処することに、私は当初から違和感を抱いておりました。山間地の住民がなぜわざわざコールセンター予約をしなければならないのか、電話回線がつながらない、何とか予約を取ってくれないか、こんな苦情をいまだに受けることがあるのであります。  そのような実情を踏まえて、本市の中山間地域住民のワクチン接種がスムーズに進行することを期待して、小項目5点の質問をいたします。  中山間地域の接種方式は、単に、山の人口は少ないからあの診療所で十分だろうと、こんな人口で決めたものではないと思いますが、巡回接種の決定に至った経緯を踏まえ、まず1点お伺いいたします。  中山間地域におけるワクチン接種は、なぜ巡回接種に統一できなかったのか。  次に、大項目2、スポーツ推進におけるハイキングについて伺います。  コロナ禍の下で社会はどのように変遷していくのであろうか。最後のとりでと言われるワクチン接種を待望するところでありますが、コロナウイルスの感染防止を図るために、老若男女問わず、大人も子供も三密を避けるために、生活様式が全く変わろうとしております。テレワークやオンラインの活用で、人の動きが減少する傾向にあります。閉じこもりがちな生活を克服するために、市街地の身近な公園に集う親子の姿や高齢者の散歩など、また軽いスポーツに汗を流す市民も増えております。  近隣の山に登り、心身の健康づくりを奨励する話題も多くなってまいりました。  先日、葵区の油山地区を通るハイキングコースの傍らで暮らす住民の方の話では、コロナで例年よりハイキング姿が減ったように感じるけれども、平常時にはこのコースは20~30人のグループでにぎやかなときもあり、大勢で歩いてくると、この静かな村もとてもうれしいよ、多くのハイカーが訪れることを期待しておりました。  ここで伺いますが、ハイキングコースの利用状況とその推移はどのようになっているか、伺います。  次に、大項目3、中山間地域の集落支援員と地域おこし協力隊の活躍について伺います。  地方から都会へと人が急速に流れ始めたのは、私が中学生の頃、金の卵と称されて、多くの友人たちがまちなかの中小の事業所に雇用されていきました。  木材の輸入自由化が始まった昭和39年以降は、森林に恵まれた本市中山間地域の林業の活力が失われ始めたと記憶しております。  日本経済が高度成長を遂げる中で、中山間地域の活力はそがれ、過疎化と少子高齢化が進み、農作業や生活道路の管理、冠婚葬祭といったみんなでやることが、いわゆる共同体としての活動ができない状況にある集落が続出し、65歳以上の高齢者が50%を超える集落を限界集落と称するようになったのであります。  数年前の発表でありましたけれども、全国にこの限界集落が1万か所以上になったと言いましたから、今では恐らく1万5,000か所ぐらいになっているんじゃないでしょうか。  そのような集落を支援する制度として、集落支援員や地域おこし協力隊があります。  ここで伺います。  集落支援員と地域おこし協力隊の制度の目的は何か、お伺いいたします。  これからは一問一答でお願いしたいと思います。   〔安竹信男君質問席へ移動〕 85 ◯保健所統括監(松田仁之君) 中山間地域におけるワクチン接種は、巡回接種へ統一できなかったのかについてですが、中山間地域における巡回接種の実施に当たっては、地域内の各診療所の接種可能人数と地域内高齢者の人口及び診療所医師の意見などを参考にして、実施方法を決定いたしました。その結果、診療所のない清沢地域と診療所だけでの対応が困難な玉川、大川、両河内の各地域について、医療チームを派遣して巡回接種を実施することといたしました。 86 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) ハイキングコースの利用状況とその推移についてですが、平成25年度から年1回、ハイキング利用者数の多い市内4つのコースで1日の利用者数を計測し、利用実態を把握しております。  4コース合計の1日当たりの利用者数は、年度ごとにばらつきがありますが、平均480人程度となっております。  平成25年度に実施した市民意識調査では、よく行う運動、スポーツとして、登山、ハイキングは1%未満でしたが、30年度は5.3%と上昇しており、ハイキングの利用者は増加傾向にあると認識しております。 87 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 集落支援員と地域おこし協力隊の制度の目的についてですが、集落支援員と地域おこし協力隊は、共に高齢化、人口減少など、過疎地域が抱える課題解決を支援する国の制度です。  集落支援員制度は、地域内の人材などを活用し、巡回や高齢者世帯への訪問などにより、地域の実情や課題解決のための状況を把握することを目的としています。  地域おこし協力隊制度は、都市から過疎地域等へ生活の拠点を移した方を協力隊員として委嘱し、最大3年間の任期の中で、地域ブランドや地域産品の開発、PR等の地域協力活動を行うこと、それに加え、協力隊員が定住、定着することの2つを目的としております。
    88 ◯安竹信男君 ワクチン接種でありますが、高齢化率が高い山間地域において一番心配するのは、どこの接種会場でもそうですけれども、患者の副反応が出たときであります。お医者さんが1人で大丈夫かというのが山間地の問題です。  不安を感じる話を耳にいたします。家族の皆さんも、うちのおじいちゃんがワクチンを打つんだけど、何か後遺症でも出たときどうなるんだろう、副反応が出たときはどうなっていくんだろう、そんな声も度々聞かれたわけであります。  梅ケ島診療所と大河内診療所を運営している瀧浪医師は、万が一のときに、患者をまちなかの市立病院や県立病院まで搬送するには1時間以上もかかるんですよと、心配を抱いているわけであります。  特にアナフィラキシーへの対応は非常に大変なものだと世間が騒ぎますが、その話を聞いておると、実際の救急体制が今の状態、非常に懸念されるところであります。このことを指摘しておきたいと思います。  ここで伺いますが、中山間地域において、接種後の副反応に異常が出た場合の対応はどのようになっているのか、伺いたいと思います。 89 ◯保健所統括監(松田仁之君) 接種会場には、アレルギー反応への対応薬剤や酸素吸入器等が設置されており、副反応が生じた場合、速やかに接種会場の医師が緊急措置を行います。  また、接種会場での対応が困難な場合には、すぐに総合病院へ救急搬送する体制を整えています。  さらに、救急ヘリの発動が必要な場合も想定し、要請できる体制を整えています。 90 ◯安竹信男君 梅ケ島、大河内の2つの診療所、瀧浪先生が預かって頑張っているわけでありますが、私も度々地元の人からも先生とよく話をしてくれということで伺うわけでありますが、驚いたことにですね、例えば副反応が出た場合の処置に必要な酸素ボンベ、先生が自分でまちに来て持っていった、買っていったというんですよね。酸素ボンベを販売している会社に電話したところ、区域外だと。山中過ぎるから持っていけないと、こう言われたんだそうです。こんなことも地域格差ですよ。ぜひ念頭に置いていただきたいと思うのであります。  救急車やヘリコプターの要請といった救急体制について、梅ケ島、大河内の自治会が十分理解しているかも定かでありません。井川地域では山田先生が頑張ってくれております。おかげさまで、救急車も配置されておりますし、時折、ヘリコプターが飛んでくることもありますので、緊急態勢には慣れているといっても過言ではないと思います。  市長、このことは市長がよく把握しておかなきゃならないことなんです。ぜひですね、まだこれからも続くわけでありますので、現地に赴くぐらいの配慮をすると、優しい田辺市長、こういうふうになるわけであります。  次に伺いますが、巡回接種を予定している玉川、大川、清沢地域のワクチン接種の実績と今後の見通しはどうなのか、教えてください。 91 ◯保健所統括監(松田仁之君) 大川地域では6月21日から接種が始まり、6月25日までに246人が1回目の接種を終了しております。  また、玉川地域、清沢地域では7月8日、9日に1回目の巡回接種を予定しており、いずれの地域でも7月末までに希望する高齢者の接種は完了する予定です。 92 ◯安竹信男君 玉川は巡回接種をすべき人数は70人と決まっているんですか。そのことは答弁の中にありませんでしたけれども、また後で確認したいと思います。  次に、巡回接種がない地域の診療所におけるワクチン接種について伺いますが、梅ケ島、大河内、井川地域のワクチン接種の実績、今後の見通しはどうなっているか、教えてください。 93 ◯保健所統括監(松田仁之君) 梅ケ島診療所、大河内診療所、井川診療所では、個別接種が実施されており、6月25日までに合計205人が1回目の接種を終了しております。  今後も各診療所で個別接種を実施し、7月末までに希望する高齢者の接種は完了する予定です。 94 ◯安竹信男君 私が今まで得た情報によりますと、6月中の受付の中で8月の予約も入っていると聞いているんですが、この8月の予約も7月中にやるように調整するということなんですか。これについても後ほど教えてください。  山間地域住民のお年寄りの多くは、子供の頃にお医者さんがいない、無医村で不安な暮らしを経験した方が多いのであります。  本市は、現在、梅ケ島診療所と大河内診療所を公設民営方式で瀧浪医師が運営され、18年間の長きにわたり、地域住民に寄り添って診療に当たってくれています。  地域の人口が減少する中で、経営は厳しく、看護師を置くこともできず、1人で頑張っております。  そういった環境の中ですが、地域住民のワクチン接種には、遅れを取らないよう一生懸命頑張っているのであります。  ここで伺いますが、中山間地域において、地区外からのワクチン接種希望者の受入れはどのようになっているか、伺います。 95 ◯保健所統括監(松田仁之君) 各診療所からは、地区外からの接種希望者も受け入れていると聞いております。 96 ◯安竹信男君 僕も驚いたんですよね。大河内の診療所に、まちに近いところの住民の方が訪れ、恐らくその方たちは、ふるさとが梅ケ島や大河内にある方なのかなと、そんなことも推測するわけでありますが、地域の皆さんから見ると、おらが診療所、俺たちのじいちゃん、ばあちゃんの接種が遅れるんじゃないかなと、こんな心配の声が寄せられたこともございます。  いずれにしても、国策の遅れが指摘される中で、本市においてワクチン接種率を上げることが問題になっている中で、瀧浪医師は地域のワクチン接種を効率よくこなして、一日も早く地元住民のワクチン接種を完遂したい、こう考えております。  瀧浪医師は、都市部でワクチン接種に必要な医師不足の現状を見て、いつでも応援に行きたい、そういう考えも持っておられるわけで、大変尊いことではないかと思うわけであります。  ここで伺いますが、中山間地域における64歳以下のワクチン接種計画はどのようになっているのか、教えてください。 97 ◯保健所統括監(松田仁之君) 中山間地域における64歳以下の方の接種につきましては、診療所医師や地域の方々の声を聴きながら、巡回接種の継続も含め検討してまいります。 98 ◯安竹信男君 これで質問は終わるわけでありますが、ワクチン接種は1人2回の接種を受けなくてはなりません。ワクチン接種は、まだ道半ばといっていいと思います。中山間地域におけるワクチン接種が順調に推進されるよう、山間地域の抱える課題を早速、フォローする施策を講じて頑張っていただきたい、こう要望しておきます。  コロナ禍が過ぎ去った後に、山間地域の診療所の医療があのときにこんな経験したけれども、見直さなきゃいけないな、そしてこの苦労が安心・安全な診療所経営ができるような1つのきっかけになる、そういうことを強く要望しておきたいと思います。  次に、2つ目の質問に移りたいと思います。  市が選定したみどりの道はどのように位置づけられ、周知しているかを伺いたいと思います。 99 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 本市が市山岳連盟との協議により、旧静岡市内のハイキングコースの中から、利用者の多い19のハイキングコースを昭和48年度にみどりの道として管理することといたしました。このみどりの道は、上級者向けコースの追加や災害などで通行不能となった際のルート変更など、随時見直しており、現在は33コースの管理をしております。  なお、利用者への周知についてですが、みどりの道、33コースを紹介した冊子を作成、配布するとともに、市ホームページへの掲載により行っております。 100 ◯安竹信男君 ここに参考資料として出しておきましたけれども、このコース、これだけ大勢の議員さんがいるわけでありますが、まだ関係するところも多かろうと思うんです。この機会に大きく関心を持っていただきたいと思います。  みどりの道というこの標語ですね、本市の市域面積の80%が中山間地域で、つまりみどりの森の地域でありますから、市民に親しみやすい標語だと、私もとてもうれしい標語だと思っています。  ハイキングコースは、人里離れるコースが多いわけですが、最寄りの町内、部落の住民にとっては、ハイカーの皆さんが立ち寄ってくれることを望んでいるように思うのであります。  ここで伺いますが、ハイキングコースの維持管理について、地域住民とどのような関わりを持っているか、教えてください。 101 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) コース全体の維持管理は、市山岳連盟に委託しておりますが、草刈りやトイレ清掃、軽微な修繕は地元自治会や地域住民の皆さんなどで構成する団体に依頼しております。  また、コースの崩落や倒木などに関するもののほか、熊の出没情報なども地域住民の皆様から寄せていただけるため、迅速な対応が可能となっております。 102 ◯安竹信男君 この身近な里山、ここに安心というのがあるんですね。あるいは装備不足、遭難事故が大変発生しているわけであります。コースから離れて、身動きの取れない危険な場所に迷い込んだとか、グループから離れて遭難の憂き目にあったとか、まさかの遭難、この遭難防止策が必要であると思うのであります。  ここで伺いますが、初心者向けハイキングコースの充実について、どのように取り組んでいるか、伺いたいと思います。 103 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) みどりの道の冊子にはファミリー、一般、経験者、上級者の4つのコース難易度を掲載し、登山前にコースの確認ができるようにしております。  現在、みどりの道全てのコースに案内看板を設置しており、特に初心者向けのファミリーコースには、頂上までの距離やトイレの位置などを記した子供から高齢者の皆さんまでどなたでも分かるような案内看板を入り口に設置してあります。  加えて、コース上には頂上までの距離を表示した看板を多く設置し、初心者の方が安心して楽しめる工夫をしております。 104 ◯安竹信男君 歴史もあるわけですので、いろいろ頑張ってくださっているんだと思います。  南アルプスユネスコエコパークを誇っている山伏峠についてお話を進めたいと思います。  山伏峠のヤナギラン群生と富士山と南アルプスが展望できるパノラマは見事です。県民の森と井川自然の家から林道勘行峰線につながっていますから、山伏山頂付近の自然は、本市にとって貴重な財産であります。  したがって、山伏小屋があるわけですが、この山伏小屋の整備事業は重要だということを感じたから言ってまいりました。  遭難防止には、避難所としての山小屋の存在は重要だと、市山岳連盟の望月喜久治会長が力説しております。  安倍奥最高峰の山伏2,013.7メートルの山頂付近の昭和46年に建設された山伏小屋の現在の状況は、床が傷み、トイレも使用不可能、こういう状況だと嘆いています。前会長の松永義夫氏のときから、この事案は私の耳に入っていましたから、振り返れば山伏小屋の修繕は10年以上も当局が検討中の課題だったはずであります。  使用不能となったトイレは既に撤去して、林道勘行峰線の山伏峠コース入り口付近にトイレが整備されましたが、山伏小屋から急勾配の坂道をトイレまで下りに10分、上りに15分、往復25分かかるこの新設トイレでよしとしているとしたら、あまりにも無計画ではないかと指摘しておきます。  井川の大日高原にはみどりの道に指定されている大日古道ハイキングコースがあり、井川高原の自然を満喫でき、富士山と南アルプスが眺望できるすばらしいハイキングコースです。ピクニック広場には、徳川家康公ゆかりのお茶蔵が小嶋善吉静岡市長政権下で建設され、お茶壺道中の出発点になっております。  本来の井川大日古道は口坂本地域からスタートして、大日峠を越え、大井川の吊橋を渡って井川村につながる街道でありました。数十体の観音像がおよそ100メートル間隔で建立され、往来する村人の安全を守っていたと言われます。  井川ダム建設以降は、湖畔を結ぶ渡船で往来しておりますが、自然の家から子供たちが井川古道を下りて、井川渡船で井川の歴史探訪など、観光を楽しむコースとなっております。  井川の廃線小路、夢の吊橋、井川大仏、井川ビジターセンター、渡船、自然の家、大日高原、リバウェルスキー場、県民の森、山伏峠は南アルプスユネスコエコパークで、美しい自然の保全と活用が望まれ、魅力あるハイキングコースになっております。  井川山岳会の年間事業計画に大日古道のパトロール事業が入っております。井川湖渡船の船着場から大日峠を越えて、口坂本温泉までのハイキングコースを市山岳連盟から井川山岳会が委託を受けての委託事業であります。当然みどりの道に全コースが掲載されているはずでありますが、先ほど申し上げたとおり、口坂本から井川高原までで終わっているわけであります。ぜひこのコースをつなげてほしいというのが関係者の希望であります。  ここで伺いますが、ハイキングコースに関し、新設、廃止も含め今後どのように整備をしていくのか、伺います。 105 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) みどりの道として管理するハイキングコースは、現状の33コースで十分であると判断しているため、新たなコースを設置する予定はございません。  山伏小屋の再整備や大日古道などのコース追加に関しましては、必要性を判断しながら対応してまいります。  現在の方針としましては、利用者の多いコースを重点的に整備するよう年次計画を策定し、実施しております。令和3年度は安倍の大滝ハイキングコースにおいて、橋の修繕を実施したほか、5件の看板設置などを予定しております。  最後に、ハイキングはスポーツの推進と健康増進につながると考えているため、引き続き市山岳連盟などの関係者の皆さんと協議しながら整備をしてまいります。 106 ◯安竹信男君 ここで僕、昨日、ある若者たちにこの話をしましたところ、もちろん答弁も含めて相談しましたところ、それちょっと間違っているんじゃないかというのを指摘されたんで、言っておきます。  利用者の多いコースを重点的に整備するという考えは間違っていると言うんですよ。利用者が多いところは自然と足道もよくなる、悪いところは直そうとする。ところが、利用者の少ないところは荒れていくというんですよ。このことを頭に置いて、皆さん一生懸命やってくれていると思うんですが、関係者と協議しながら、ぜひ整備をしていただきたいと、こう思うわけであります。  次に、大項目3、集落支援員の活動実績、とても興味を持っているわけでありますが、その実績、成果をどのように評価しているか、伺います。 107 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 集落支援員が高齢者への訪問や地域巡回の中で把握する情報は、高齢者個人の困りごとから飲料水供給施設の不具合、地域のイベント情報など、多岐にわたります。それらの情報は集落支援員により自治会などの地域の団体や……(「もうちょっとゆっくりやってくれ」)それらの情報は集落支援員により自治会などの地域の団体や市の窓口などに報告され、介護サービスや市の補助事業の利用に結びつくなど、地域住民の安心感の向上や地域が持つ魅力の効果的な発信につながっています。  また、オクシズへの移住についても、空き家バンク制度の周知や登録の勧奨のほか、移住してきた方から相談を受けるなど、重要な役割を果たしています。 108 ◯安竹信男君 続けて伺いますが、地域おこし協力隊の配置状況と活動事例について教えてください。 109 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 平成27年度からこれまでには、井川地区4名、清沢地区2名、また梅ケ島地区、玉川地区、大川地区、中藁科地区では、各1名の合計10名がそれぞれのテーマを持ち活動してきました。  現在は、そのうち清沢地区1名、中藁科地区1名の合計2名が活動中です。  活動テーマの例として、大川地区での耕作放棄地を活用した地域振興では、休耕田の復活や在来そばの普及などに取り組みました。  清沢地区での野生鳥獣被害対策では、野生鳥獣の捕獲に加え、捕獲した鹿の肉や皮などの有効活用に向けた取組を行っています。  中藁科地区での事業承継を見据えた農産物加工販売所の管理運営では、地域のにぎわいの核となっている水見色きらく市の一員として、現在の経営体制をサポートするなど、後継者不足の解消に向け取り組んでいます。 110 ◯安竹信男君 全くですね、ありがたいなと思うのが、後継者不足を補うという、本当に大事なことなんですよね。先ほど、冒頭で入りましたけれども、もう地元で生活できないということで諦めて、その地域がいわゆる過疎地域になる。これを何とかしなきゃいけないと、もがいて、もがいて、もがいてもできなかったんですが、協力隊の配置など、国がやって、まだまだ増やそうとしている関係にありますけれども、ぜひ後継者不足をどう補うかという観点、重点を私は要望したいなと、こう思うわけであります。  さらに、伺いますが、地域おこし協力隊は、地域活性化にどのような成果を残しているか、いま一度教えてください。 111 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 成果の例として、玉川地区の隊員は、出版社での経験を生かし、オクシズの魅力的な写真を、SNSを通じて募集するオクシズフォトコンテストを開始しました。コンテストは現在も継続しており、これまで4回の開催で合計1,400点以上の応募作品を集めるなど、オクシズを広くPRする機会となっています。  大川地区の隊員は在来そばの花を素材として、そば花見まつりを行い、地域の住民を巻き込んでそばや地域産品の販売の機会を創出しました。任期終了後の現在も地域に定住しており、今後は地域の一員としてイベントを継続する予定です。  井川地区の隊員は、名産品である井川メンパの伝承のため、製作技術を習得し、令和2年度にはテスト販売を開始するなど、伝統の継承につながっています。  その他の隊員も地域の特色やニーズを基に、様々な形で地域活性化に結びつく取組を行っています。 112 ◯安竹信男君 国の特別交付税措置によって、過疎化を食い止めるための政策であることから、地域に定住することがとても重要だと思っております。  しかしながら、私はいろいろなところで意見を聞いているわけでありますけれども、なかなか定住することに違和感がある。受入れ側もある。そこで3年間頑張った御本人も、いま一度この社会の状況では、これは交通の便が悪いことも踏まえてあるわけでありますね。このことにとても心を痛めているのは、そこの地域住民なんです。私もそうです。  自分のふるさとに愛着があればあるほど、よそから来て頑張ってくれる人に、最終的にまだなじめないと言われると、何が悪いんだろうと、ここに来るわけであります。  ここで伺いますが、地域への定住、定着への課題は何か、伺います。 113 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) これまでの状況や関係者へのヒアリング結果から定住、定着には2件の課題があると考えております。  1点目は…… 114 ◯副議長(山根田鶴子君) あと1分でございます。 115 ◯農林水産統括監(稲葉 光君)(続) 任期を全うしていただくため、都市と中山間地域での生活のギャップを埋めることです。そのため、協力隊希望者への丁寧な事前説明や宿泊体験などにより、現地での生活をあらかじめイメージしていただくことや着任後の継続的なサポートを行っています。  2点目は、任期終了後の仕事を確保することです。そのため、任期終了後の就職や起業につながる活動テーマを選定するとともに、起業希望者への支援を行っています。  今後もこのような取組を地域と連携して行うことにより、定住、定着率を向上させ、協力隊員による地域活性化を進めていきたいと考えています。 116 ◯安竹信男君 以上です。ありがとうございました。    ─────────────────── 117 ◯副議長(山根田鶴子君) 本日は、これにて延会いたします。         午後2時59分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...